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2-47 ツンデレ+料理下手=致死性一歩手前の毒

ロロ=ノクトンは乙女である。
毎朝毎朝幼馴染の男の子によって起こされ、料理がまったく出来ないが、それでも乙女である。
幼馴染のギルが聞いたら一笑し、蹴り倒されるだろうが、乙女である。
そんなロロの最近の日課はファルに料理を教わることだった。
というのもたしか入学式くらいの時期がきっかけで料理を覚え始めたのだが、これがまた難関だった。
まずレシピを渡されてチャーハンを作らされた。
最初は目玉焼きが課題だったのだが、いくらなんでも馬鹿にしすぎだとロロは怒った。
そして作られたチャーハン。
色は何故か銀色に鈍く輝いており、謎の発光現象がおきていてもチャーハンである。
ちょうどファルの部屋にいたジーナもこの時ばかりは顔を引き攣らせていた。
ギルを呼んで食べさせてみたが、食べた瞬間わけの分からないことを叫んでファルにル○ンダイブしたのは何だったんだろう。
ちなみにその後ジーナの暴徒鎮圧用弾丸でノックアウトされたギルの口にファルが無理矢理チャーハン?を詰め込んでいた。
よしこれで完璧だ、ロロはそう思ったがなんでか作る料理はチャーハンから目玉焼きに難易度が急降下。
ファルに聞いてみたが基礎が大事と何度も繰り返すばかりで、納得は出来ないが師匠の言うことなんだから無理矢理納得はしておいた。

「これで完成っと」

そんなロロが今、謎の虹色で独りでに蠢く料理を皿に盛り付けていた。
盛り付ける時に少々暴れて手こずったが、力技で黙らせた。
ふとベッドのほうを見てみると、そこには布団をかぶっていかにも「私、無関係です」とアピールするジーナの姿が。
ファルは既にギルの部屋に直行しており、今頃縄で縛ってつれてくる頃だろう。
ファルが言うには幼馴染の手料理を食べるのが恥ずかしいだけだという。
そんなこと言われればロロとて恥ずかしく、ついギルとファルに照れ隠しの回し蹴りを放ってしまうのも、たまにあることだ。

「頼む!見逃してくれファル!」

「・・・・・・・・・」

そんなギルの言葉にファルはまるで絶望的な戦況の中、
少しでも敵に損害を与えるために特攻する戦士を見送るかのような視線を送るだけだ。

「はい、あーん」

顔が真っ赤に火照るのを感じつつ盛り付けた料理をスプーンにとり、直接ギルの口元へと持っていく。
本来こんなことしてやる義理はないのだが、ギルは今手足を縛られている。
もちろん解いてやるのが一番なのだがそんなことをすれば恥ずかしいからと逃げていくに違いない。
イヤイヤとギルが顔を真っ青にしながら命乞いの言葉を吐くが、ファルは手遅れですと言わんばかりに首を振る。

「俺達親友だろ!?」

「・・・・・・・・・残念ですが」

「ファ・・・・・・・・・」

ル、そう言おうとして大きく口を開けた瞬間、放り込まれる物体X。
それはまるで宇宙の神秘を体現したかのような、ニブルヘイムとムスペルヘイムが合体したかのような。
神秘。
神秘。
神秘。

「&”@-$#&%!?」

言葉にならない声を叫びながら物体Xを吐き出そうとするギル。
しかしそれをロロに察知される前にファルが顎を無理矢理押さえつける。

「・・・・・・・・・・!?・・・・・・・・・!?・・・・・・・・・!・・・・・・・・・」

最初は手足が縛られながらも打ち上げられた魚のように激しく動いていたギルだが、それも数秒だけ。
今やそこにいるのは味覚を通して脳を得たいの知れない何かで侵食された哀れな犠牲者が一人。
白目を向いているがファルとジーナは見なかったことにして使った鍋を片付け始めた。
ロロは思った。
今日も美味しく作れたみたいだ、と。





最近日課となりつつあるSAN値がチェックされる料理を食わされたギルは、胃薬を飲んで自室で横たわっていた。
出来ることなら美味しく頂いてやりたいが、あれはどんな調味料を足しても食べたいと思えない代物だった。
思えばロロが料理を作り始めたのは王立学園に入学してからしばらくのことだった。
最初こそ「何か始めたな」と他人事のように思っていた。
それからしばらくの間ファルとジーナが哀れみの篭った目で見てくることに疑問を感じていたが、その時気付くべきだった。

「・・・・・・・・・」

ロロの料理は一言でいうなら『錬金術』である。
先程の料理だって原型すら留めていないが実は目玉焼きである。
いったい何をどう調理したら卵があの謎の物体Xになるのだろうか。
一度だけファルに聞いてみたことがあるが、心底不思議そうに首を傾げていたのが印象的だった。
ファル曰く

「僕がちゃんと隣で見てるんだけど、気付けば謎の生命体になってたり、謎の現象を起こす物体になってたりするんだよね。
 一度も目を閉じないで見てみても、気付いたら変化してるんだ。僕には理解できない現象だったよ」

とのことらしい。
ただ不味いだけならいいのだが、最初の日に作ったチャーハン?は何故か洗脳効果のようなものがあった。
細かいところは覚えていないのだが、ファルに対して抗いようのないほどの欲情を感じてしまったのだけは覚えている。
ちなみにあの後かなり荒っぽかったが止めてくれたジーナに涙しながら感謝した。
その晩、胸焼けが一晩中止まらず眠れぬ夜を過ごしたのは今となっては懐かしい出来事だ。
なんせ今はロロの料理猛毒を食べても1時間後には必ず起き上がるからだ。
身体がロロの料理猛毒に対して抵抗力を身につけたということだろうが、素直に喜べない。

「というか何で料理なんてしてるんだ・・・・・・・・・?」

ロロが料理を始めた理由を本人に聞いてみるととび蹴りが飛んでくるし、ファルに聞いてみると苦笑いを返される。
ジーナにいたっては暴言が返ってくる。
どうにかしないと死ぬ。
胃袋的に。
そう思っていたのも初期段階だけで、今となって・・・・・・・・・いや、よそう。
そのせいかその辺に関して問い詰めようという気が薄れてきているのは確かだ。
だが原因を突き止め、究明しなくてはこの無限地獄が終わらない。
え?ロロに直接言えって?
無茶言うな。
負けず嫌いのあいつにそんなこと言えばより悪化するに違いない。
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