2-20 嵐(ちびっこ的な意味で)
なんで・・・・・・・・・こんなことになってるんだろう。
私ことダクトゥルは非常に、困っている。
「マスター。タコヤキの注文です。あ、あとイチゴパフェと。ファルさんも何か頼みます?」
「あ、こっちはカルボナーラね」
「んー・・・・・・・・・あたいはメロンパンとポテトフライ」
・・・・・・・・・。
はい、お客様は神様です。
誰がどう言おうと神様です。
だけ一言だけ言わせてもらってもいいでしょうか?
「ロロ君?ここは寿司屋なんですが?」
「へ?なんで私の名前知ってんの?」
心底不思議そうに小首を傾げる少女、ロロだがここは我慢だ。
・・・・・・・・・このアマ、本気で言ってやがる。
「・・・・・・・・・ダクトゥルです」
「・・・・・・・・・?ねぇギル知ってる?」
「知らねぇな。ところでいつになったら出るんだよ?」
「んー・・・・・・・・・ギルが分からないとなると」
ギルの魂の叫びをスルーしてファルに視線を定める。
「ファル知ってる?」
「うん?」
ファルはチーズフォンジュを食べていた手を止め、こちらをジッと見つめる。
「知らないね。・・・・・・・・・・・・クス」
「待ってください何ですか今の笑み!?絶対覚えてるでしょあなた!」
「さて何のことやら」
くぅ!
やはりコイツは・・・・・・・・鬼門だ。
・・・・・・・・・はっ!
「いえ待ってください。この際私のことはどうでも・・・・・・よくはないですが、聞いてください。
ここは寿司屋です。寿司屋なんです。大事なことなので二回言いました」
「え?だから何なの?」
黒のロングの子がロロ同様、何言ってんだこのオッサンと言いたげに小首を傾げた。
「・・・・・・・・・・寿司屋にタコヤキとかイチゴパフェとかカルボナーラとかポテトフライはおかしいと思うんですよ。
あとメロンパンなんて作れません」
「というかペン太先生?先生じゃないんですか?」
「ってファル君やっぱり覚えてるじゃないですか!?」
「「あー!」」
「ってギル君もロロ君もなんでペン太先生で思い出すんですか!?ちくしょう!」
「よろしくペン太先生!あたいティアマト!」
「ジーナです。よろしくお願いしますペン太先生」
「よろしくやでペン太先生。あ、ワイはアレスやで」
「君達までそう呼びますか!?」
ってまた話が逸れてる!
「だからここは寿司屋なんです!大事すぎるので3回いいました!」
「・・・・・・・・・のわりにはちゃんと作ってますね」
寿司屋なのになんで作れるんですか?
と出されたタコヤキを頬張るジーナがペン太先生には心優しい少女に見えたが、どう見てもどうでもよさげな顔をしていた。
「実はですね」
「やっほうなの!やっと仕事終わったの!」
入店をしらせるベルが鳴り、聞き覚えのある声が飛び込んでくる。
そう、奴だ。
この店が寿司屋でなくなった原因の奴だ。
「あ、トナ校長」
「やっほーロロっちーなの!」
そこには元気に席に座るチビっ子の姿が。
「あ、ペン太なの。とりあえずそうめんなの」
「って貴方までペン太言いますか!?」
そう、トナ校長がこの店に来てから寿司屋でなくなった。
注文した料理がこなければ暴れに暴れまくって店を直すのに半月ほどかかったのだ。
そんな手痛い応酬をされたならば当然色々な食材を常備するに決まっている。
「まだなの?」
「そんなに早く作れるわけないですよ!」
「ぇーなの」
「膨れても麺は早く茹で上がりません!」
相変わらず騒がしいメンバーにさらに騒がしいメンバーが加わった。
現在、そいつらはそれぞれの楽しみ方でこの宴に参加していた。
トナ校長が着てからは特にやかましい。
伝票を見るともう財布の中身では支払い不能になっていたことは、忘れたいくらいだ。
現在ファルはティアマトと知らない言葉で魔法機械についてあれこれ話している。
そしてロロとトナ校長はどこのデザートが美味しいだのこだわりの話をしており、甘いものが苦手なギルとしては理解できない。
不貞腐れていたアレスは今では自棄食いしていた。
そして残っているジーナといえば
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
先生、凄い気まずいです。
先程から沈黙が続いているのだがジーナはちびちびとオレンジジュースを飲んでいた。
一方ギルもチビチビと水を飲んでいた。
なんとなく気恥ずかしいからコップをつい口に運んでしまうのだが・・・・・・・・・一体どうしたものだろう。
「え、えーと。いい天気だな」
とにかく話題を作る、それからだと思ったがすぐにミスをしたことに気付いた。
「もう夜中ですが?」
外、真っ暗じゃねぇか。
天気もクソもねぇよ。
「ファルとティアマトが魔法機械について話し合ってるみたいだけど、行かないのか?」
「・・・・・・・・・ファルが誰と話してようが私には関係ないですから」
「・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・別にそんなつもりで言ったわけではないのだが。
しかしこの反応は・・・・・・・・・?
「なぁ」
「何ですか?」
「お前とファルって付き合ってるのか?」
先日ティアマトにも聞かれ、ファルには誤魔化されたその問い。
しかしジーナは聞こえていないかのごとく次の料理に手を伸ばした。
どんだけ食うんだよ。
答える気がないようなので別の話題を探し始めると、ジーナは言った。
「付き合うか付き合わないか。その二択で私達を定めることは出来ません。
おそらく、私達の関係は誰よりも特殊で、歪なのでしょう」
「へ?」
「・・・・・・・・・忘れてください」
いや、忘れろって言ったって・・・・・・・・・。
とにかくこの二人は付き合っているわけではないらしい。
「それよりも貴方はどうなんですか?ロロさんと何か進展はありました?」
「ロロとはそんな仲じゃねぇっての。あいつは昔から幼馴染なんだ」
「変わらないと信じているものこそ一番変わりやすいですよ。特に人間関係においては」
「いや、でもあいつは幼馴染だし」
あ、溜息吐かれた。
こっちを見る目が何か馬鹿にしている感じがする。
さっきまでは・・・・・・・・・あれ?
そういえばロロさんって言わなかったか?
「ちゅーもーく!なの!」
「うん?」
途端にトナ校長が立ち上がって叫びだした。
料理が載っている机の上に。
「トナ校長。汚いからやめてくれるかな」
「シャラップファル君!今の完全無敵校長に罵倒など無意味なの!」
ぴくっとファルが一瞬固まったあと、トナ校長の腰を掴んで自分の陣地へと引きずり込む。
そして感情のない瞳で髪の毛を握ったあと
「髪の毛むしるよ?」
「なの!?や、やめるのー!」
当然のようにジタバタと暴れるトナ校長に机の料理が大変なことになっているが、慌てているのはペン太先生のみだ。
「なの・・・・・・・・・盛り上げるためにゲームをしようとしただけなのに酷いの・・・・・・・あんまりなの・・・・・・・・・」
そして開放されたトナ校長は体育座りで地面にのの字を書き始めた。
机の上で。
「トナ校長?」
「なの!?ぼ、暴力反対なの!」
「ファル。ちょっと黙っててくれ」
話が進まなくなる。
「それでトナ校長。何をやるって?」
「どうせろくでもないことよ」
こらロロ。
分かりきったことを小声でボソッと言うな。
ギルの言葉に暗い表情から反転したトナ校長は自信満々に割り箸を取り出していった。
・・・・・・・・・あ、嫌な予感。
「王様ゲームなの!」
どこの合コンだチクショウ!
私ことダクトゥルは非常に、困っている。
「マスター。タコヤキの注文です。あ、あとイチゴパフェと。ファルさんも何か頼みます?」
「あ、こっちはカルボナーラね」
「んー・・・・・・・・・あたいはメロンパンとポテトフライ」
・・・・・・・・・。
はい、お客様は神様です。
誰がどう言おうと神様です。
だけ一言だけ言わせてもらってもいいでしょうか?
「ロロ君?ここは寿司屋なんですが?」
「へ?なんで私の名前知ってんの?」
心底不思議そうに小首を傾げる少女、ロロだがここは我慢だ。
・・・・・・・・・このアマ、本気で言ってやがる。
「・・・・・・・・・ダクトゥルです」
「・・・・・・・・・?ねぇギル知ってる?」
「知らねぇな。ところでいつになったら出るんだよ?」
「んー・・・・・・・・・ギルが分からないとなると」
ギルの魂の叫びをスルーしてファルに視線を定める。
「ファル知ってる?」
「うん?」
ファルはチーズフォンジュを食べていた手を止め、こちらをジッと見つめる。
「知らないね。・・・・・・・・・・・・クス」
「待ってください何ですか今の笑み!?絶対覚えてるでしょあなた!」
「さて何のことやら」
くぅ!
やはりコイツは・・・・・・・・鬼門だ。
・・・・・・・・・はっ!
「いえ待ってください。この際私のことはどうでも・・・・・・よくはないですが、聞いてください。
ここは寿司屋です。寿司屋なんです。大事なことなので二回言いました」
「え?だから何なの?」
黒のロングの子がロロ同様、何言ってんだこのオッサンと言いたげに小首を傾げた。
「・・・・・・・・・・寿司屋にタコヤキとかイチゴパフェとかカルボナーラとかポテトフライはおかしいと思うんですよ。
あとメロンパンなんて作れません」
「というかペン太先生?先生じゃないんですか?」
「ってファル君やっぱり覚えてるじゃないですか!?」
「「あー!」」
「ってギル君もロロ君もなんでペン太先生で思い出すんですか!?ちくしょう!」
「よろしくペン太先生!あたいティアマト!」
「ジーナです。よろしくお願いしますペン太先生」
「よろしくやでペン太先生。あ、ワイはアレスやで」
「君達までそう呼びますか!?」
ってまた話が逸れてる!
「だからここは寿司屋なんです!大事すぎるので3回いいました!」
「・・・・・・・・・のわりにはちゃんと作ってますね」
寿司屋なのになんで作れるんですか?
と出されたタコヤキを頬張るジーナがペン太先生には心優しい少女に見えたが、どう見てもどうでもよさげな顔をしていた。
「実はですね」
「やっほうなの!やっと仕事終わったの!」
入店をしらせるベルが鳴り、聞き覚えのある声が飛び込んでくる。
そう、奴だ。
この店が寿司屋でなくなった原因の奴だ。
「あ、トナ校長」
「やっほーロロっちーなの!」
そこには元気に席に座るチビっ子の姿が。
「あ、ペン太なの。とりあえずそうめんなの」
「って貴方までペン太言いますか!?」
そう、トナ校長がこの店に来てから寿司屋でなくなった。
注文した料理がこなければ暴れに暴れまくって店を直すのに半月ほどかかったのだ。
そんな手痛い応酬をされたならば当然色々な食材を常備するに決まっている。
「まだなの?」
「そんなに早く作れるわけないですよ!」
「ぇーなの」
「膨れても麺は早く茹で上がりません!」
相変わらず騒がしいメンバーにさらに騒がしいメンバーが加わった。
現在、そいつらはそれぞれの楽しみ方でこの宴に参加していた。
トナ校長が着てからは特にやかましい。
伝票を見るともう財布の中身では支払い不能になっていたことは、忘れたいくらいだ。
現在ファルはティアマトと知らない言葉で魔法機械についてあれこれ話している。
そしてロロとトナ校長はどこのデザートが美味しいだのこだわりの話をしており、甘いものが苦手なギルとしては理解できない。
不貞腐れていたアレスは今では自棄食いしていた。
そして残っているジーナといえば
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
先生、凄い気まずいです。
先程から沈黙が続いているのだがジーナはちびちびとオレンジジュースを飲んでいた。
一方ギルもチビチビと水を飲んでいた。
なんとなく気恥ずかしいからコップをつい口に運んでしまうのだが・・・・・・・・・一体どうしたものだろう。
「え、えーと。いい天気だな」
とにかく話題を作る、それからだと思ったがすぐにミスをしたことに気付いた。
「もう夜中ですが?」
外、真っ暗じゃねぇか。
天気もクソもねぇよ。
「ファルとティアマトが魔法機械について話し合ってるみたいだけど、行かないのか?」
「・・・・・・・・・ファルが誰と話してようが私には関係ないですから」
「・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・別にそんなつもりで言ったわけではないのだが。
しかしこの反応は・・・・・・・・・?
「なぁ」
「何ですか?」
「お前とファルって付き合ってるのか?」
先日ティアマトにも聞かれ、ファルには誤魔化されたその問い。
しかしジーナは聞こえていないかのごとく次の料理に手を伸ばした。
どんだけ食うんだよ。
答える気がないようなので別の話題を探し始めると、ジーナは言った。
「付き合うか付き合わないか。その二択で私達を定めることは出来ません。
おそらく、私達の関係は誰よりも特殊で、歪なのでしょう」
「へ?」
「・・・・・・・・・忘れてください」
いや、忘れろって言ったって・・・・・・・・・。
とにかくこの二人は付き合っているわけではないらしい。
「それよりも貴方はどうなんですか?ロロさんと何か進展はありました?」
「ロロとはそんな仲じゃねぇっての。あいつは昔から幼馴染なんだ」
「変わらないと信じているものこそ一番変わりやすいですよ。特に人間関係においては」
「いや、でもあいつは幼馴染だし」
あ、溜息吐かれた。
こっちを見る目が何か馬鹿にしている感じがする。
さっきまでは・・・・・・・・・あれ?
そういえばロロさんって言わなかったか?
「ちゅーもーく!なの!」
「うん?」
途端にトナ校長が立ち上がって叫びだした。
料理が載っている机の上に。
「トナ校長。汚いからやめてくれるかな」
「シャラップファル君!今の完全無敵校長に罵倒など無意味なの!」
ぴくっとファルが一瞬固まったあと、トナ校長の腰を掴んで自分の陣地へと引きずり込む。
そして感情のない瞳で髪の毛を握ったあと
「髪の毛むしるよ?」
「なの!?や、やめるのー!」
当然のようにジタバタと暴れるトナ校長に机の料理が大変なことになっているが、慌てているのはペン太先生のみだ。
「なの・・・・・・・・・盛り上げるためにゲームをしようとしただけなのに酷いの・・・・・・・あんまりなの・・・・・・・・・」
そして開放されたトナ校長は体育座りで地面にのの字を書き始めた。
机の上で。
「トナ校長?」
「なの!?ぼ、暴力反対なの!」
「ファル。ちょっと黙っててくれ」
話が進まなくなる。
「それでトナ校長。何をやるって?」
「どうせろくでもないことよ」
こらロロ。
分かりきったことを小声でボソッと言うな。
ギルの言葉に暗い表情から反転したトナ校長は自信満々に割り箸を取り出していった。
・・・・・・・・・あ、嫌な予感。
「王様ゲームなの!」
どこの合コンだチクショウ!
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