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2-19 仮想訓練

ギルとロロが戦っている時、ファルは移動しつつ罠を張っていた。
子供騙しのあまり上等ではない類のものだが、ロロとティアマト相手になら十分通じるだろう。

「………ワイヤーが足らないね」

自前のものを持ち出してきたのだが、もうあまり残っていない。

「ああもう。ケイト使いすぎだよ………」

前回ワイヤーを貸し出した人物に悪態をつくが、ないものは仕方がない、
このままだと良くて二人くらいしか引っかからないが………

「発見だよ発見だよ!」

「!?」

どうしようかと考えているところに聞こえた声に迷わず近くの扉をけり破って入ると、
やはりというべきか白い物体が通り過ぎていった。

「奇襲で大声を上げてどうするんですか。それで、どこへ?」

「え?うーんとね………どこだろ?あ、ちょっと待った!今当ててみせるからさ!」

罠を作っている途中だったので誘い込むために袋小路にいたのだが………それが裏目に出たようだ。
あの二人を突破しなければ逃げられそうにない。

「………『一の顎、十の扉、百の世界、忌むべき魔女の雹』」

「お?おお?」

次の瞬間閉じた扉越しに聞こえてくる破壊音の数々。
置かれていた品物ごと罠を破壊しているようだ。
これは不味いなー、そう考えて打開の策を考えてみる。
まずここにロロがいない理由。
肉弾戦で最も戦闘能力が高い彼女は単独行動をとったのだろう。
………突っ走ったロロが孤立したとも考えられるが。
そしておそらくだがロロは今、ギルかアレスのどちらかと対峙しているだろう。
強さの関係で前者だと思うが、それでも事態はまったく好転していない。
あの二人が戦うとおそらくだが





打ち込んでくる拳を寄せ付けないように全力で後ろに下がりつつ、自分の得意な距離を保つ。
拳が届かずこちらの剣が届く範囲を保つことで一方的に攻撃をすることができる………はずなんだが。

「はぁ!」

「ちょっ!?何それ!?」

問題はロロが使っている滅茶苦茶な魔力の使い方だ。
詠唱?何それ?美味しいの?な彼女は魔力を固定する気もなく、爆発として扱っていた。
しかもそれを初期速度として変換し、絶えずこちらの距離を詰め、容赦のない攻撃をしてくる。
剣というのは懐に潜りこまれるとこれ以上ない程不利な武器である。
いや、懐に潜りこんだ拳闘士が非常に有利なのだ。

「はな、れろ!」

力任せに木剣を横に薙ぐがそれに対しロロは空中へ飛んだ。
へ?とマヌケな声が出たその直後、顔面に対して鈍い感触。
地面に何回かバウンドしつつ壁に激突し、止まった身体に激痛を感じつつもロロを見据える。
もはや首を動かすだけでも身体が痛んでしまう。

「避けながら空中で回転しつつ回し蹴りってねぇよ……」

そのおかげでロロの脚力ではありえないくらい強い力で蹴り飛ばされてしまった。
首の骨、折れてねぇよな?確かめたいが手は既に殆ど動かない。
というかさっきから意識が飛びそうだ。

「降参しなさい」

お前が犯人だと言わんばかりにこちらに指を突き出し、敗北を促すロロ。

「はっ、誰がロロなんか………に!」

痛む体に鞭打って剣を振りかぶる。
だが

「へぇ?」

素人が振ったってもう少しマシと思えるほど鈍い剣筋にあっさりと木剣とつかまれる。
するとメシメシと木剣から嫌な音が聞こえ

バキィ!

………へし折りやがった

「降参、するわね?」

先程の命令と違いもはや確認のその言葉にギルは振るえながら頷くしかなかった。







「まぁ負けてるよね」

冷静に戦況を判断するが、そうなると次にこの破壊音がなっているここへロロは来ることとなる。
1対3でしかも罠はもう破壊されてるだろう。
なんかもう勝ち目がない気がしてきた。
あ、破壊音収まった。

「あら、生きてるね」

「そうですね。ファルさんはしぶといですから」

「………」

ゆっくりと隠れていた室内に入るジーナとティアマトを見据えつつ逃げ道を探すが、簡単には見つからない。
家というより屋敷というほうが正しいこの戦闘フィールドは、廊下だと少数、部屋だと多人数相手の戦いに向いている。
しかし殆どの部屋は袋小路なわけで、ファルは追い込まれていた。
手元の木剣を構え、唯一の出口を見るが二人、というよりジーナの攻撃をかいくぐって通るのは難しい。

「覚悟ぉ!」

「ですね。よからぬことを考えられても面倒なので」

ティアマトが牽制と言わんばかりにメイスを振るう。

「って、ちょっ………!?顔狙いって何なの!?」

間違いなく殺す気が満々の攻撃だったが、大振りだったので隙が大きい。
軽く屈んで避け、そのまま木剣をティアマトに打とうとしたところで影にいる人物に気付く。
このまま打ったならば間違いなくジーナの攻撃に当たる。
なので打たずにティアマトは素早く蹴りを入れて飛ばし、ジーナの剣筋のみを見極めた。
剣の軌跡をずらしながら再度こちらに突進してくるティアマトを見て、舌打ちをする。
打ち込まれる度に良い音を鳴らす木剣であるが、メイスなんかと打ち合うと間違いなく折れる。
というかこいつら

「初心者ってレベルじゃないよ………ね!」

「そうですか?『伝説を紡ぐ者、驕れる外道を打ち倒す気高き者』」

………!?
この詠唱は………あたったらまずい!
剣を交えながらなので詠唱速度こそ遅いがこのままでは確実にやられる。
そう判断したファルは一気にジーナを倒そうと集中的に攻撃するが重いメイスの攻撃に木剣は届かない。

「ちっ、そこ!」

一瞬の隙を見つけては打ち込むが

キィン!

「甘い!練乳にさらに砂糖を投入するかのように甘甘だよ!」

「それ甘いってレベルじゃ・・・・・・・・・っ!?」

「『命を紡ぐ者、輝ける命を生み出す優しき者。死を紡ぐ者、死すべき生者を刈る虚無の者!』」

遂に詠唱が完成してしまった。
だがしかし、逃げるには十分な時間がある。
ファルはそう判断して唯一の武器の木剣を邪魔をしてくるティアマトに投げつけ、堂々と出口から逃走をはかった。
これで負けは確実だがあの魔法を受けるよりマシであ………

「ジーナたん行けぇ!」

「変な名前で呼ばないで下さい!」

ふと後ろを見るとティアマトの振るったメイスに足をかけてこちらに吹き飛んでくるジーナの図。
あ、これはやばい。
ジーナの手がファルの上着についた時、彼女は叫んだ。

「覚悟です!『地獄への扉!』」

「ぎゃあああああああああ!?」









「新年早々に飛ばしますね」
『そう?マトモな戦闘はこれが始めてかもねぇ』
「………戦闘というにはあまりにもお粗末ですね」
『攻めないで!俺の執筆力を攻めないで!』
「そんな鼻水たらしながら土下座されても気持ち悪いんですが」
『きも……ちわるいだと!?』
「はい。英語で言えばブサイクです」
『英語じゃない!?というかさらに酷い!?』
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