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2-4 改造師

ギルとファルはお互いの視界をカバーしながら廊下を進んでいた。
あのまま厨房に入り込んでいると他の人物が攻め入ってくるかもしれないからだ。
もちろん篭っていてもよかったのだがその原因の一つに現在時刻があった。
時間にして3時ジャスト・・・・・・この時間で終了の合図のようなものがないのはさすがにおかしい。
となれば今の状態を把握する為にも危険だとしても外に出るべきだ。
そう言うファルに納得したギルは行動を同じくして廊下を歩いている。
ちなみに厨房は入り口に『使用禁止』と書いた立て札を置いておいた。
これで立て篭られる事態はおそらくないだろう。
後になって気付くのだが、『使用禁止』の札をたてといて厨房に潜んでいればよかった。

「・・・・・・・・・?」

「どうしたんだファル?」

先程からファルが浮かない表情している。
そしてしきりに首を傾げているのを見てギルが聞いたのだが・・・・・・・

「いや・・・・・・・・・・なんでもないよ」

と、何度もはぐらかされるのだ。
絶対何でもない顔じゃねぇだろ、とツッコみたいがこういう言い合いでファルに勝った試しのないギルは追求しなかった。
そしてピタリとファルが足を止め、構えをとった。

「・・・・・・・・・誰だ?」

「さぁ?」

遅れて気配に気付いたギルが構えをとるが、そこには

「・・・・・・・・・どこの蛇だよ」

ダンボールが置かれていた。
廊下の影のほうに置かれていたので気付かなかったが、よくよく考えるとおかしすぎる。
しかもよく見るとぴくぴく動いていた。

「ギル。どうすの?」

「え、俺?そうだな・・・・・・・・・倒したほうがいいんじゃないか?」

「だよねぇ」

しかしこれは・・・・・・

「罠?」

「否定できないけど、どうなんだろうねこ・・・・・・・・ギル!後ろ!」

「なっ」

ギルはファルの叫びに地をけりながら振り返り、水鉄砲を後ろに向けた。
すると今までギルがたっていた場所にこれでもかというほどの勢いで水が飛んでいった。
その先にあったダンボールを貫通したのを目撃し、見なかったことにする。
そしてそこに立っていたのは・・・・・・銀色に近いロングな髪を持つ幼馴染な奴、そして

「ロロに・・・・・・・・・ジーナだと!?」

ジーナ=イカルス。
ギルやファル、ロロ3人の幼馴染であり2年前にプロンテラに引っ越したツインテールの金髪少女だ。
一時期ツンデレツンデレと言われていた時期があったが、ある事件から今では禁句となっている
そもそも金髪は地毛ではなく、とある理由から染めていたらしい。
今は赤毛のポニーテールとなっている。
というより彼女はツンデレではないのだ。

「ちっ。お姉さま!クソ野郎への攻撃、はずれました!」

ロロをお姉さまと慕う同姓愛者なのだ。
まさか彼女が王立学園に入っているとは思わなかったが、これはやばい。
小さい頃から父親の仕事、魔機作りを手伝っていた彼女の使う武器は本格的にやばいのだ。

「ちょっと待て!それって水鉄砲だよな!?」

「・・・・・・・・・私もそう思うけど、ジーナの作るものにツッコミを入れても仕方ないわよ」

水鉄砲ってほら、なんだ。
こう危険じゃない遊びのはずだよな・・・・・・・?

「改造しちゃいけないなんてルールはないですよこの豚」

「ひでぇ!?」

「待っていてくださいお姉さま!今からこの憎き外道の脳天に風穴を開けます!」

「殺す気か!?」

たかが水鉄砲で大げさな、そう思うのは素人考えである。
昔ジーナの作ったミ○四駆で建物の壁をぶち抜いたことがあるのだ。
ファルが後で調べたことなのだが、その壁にはコーティングがかけられていたらしい。

「僕達置いてけぼりだね」

「・・・・・・そうね」

ジーナが暴走してギルを追まわし、置いてけぼりにされるファルとロロの図は2年前までよくあることだった。

「ふふ・・・・・・・ふふふふふふ。追い詰めたましたねぇ?」

「ちょっ、おまっ・・・・・・・・」

ギルが壁の隅に追い込まれたその時、チャイムが鳴り響いた。

『おしまーい!おしまーい!ゲームはこれで終了なの。今生き残っている人はこれからパーティーをするの。
 負け犬は既に席に座ってるの。指定の場所は・・・・・・・・・』

「ちっ、運が良いですね。・・・・・・・・・うん、先に行っててください」

「何て酷い扱いなんだ・・・・・・」

ゴリゴリと銃口をコメカミに擦り付けられているギルは不満をもらしつつ野外訓練場へと向かった。
どうやらそこでパーティーが行われているらしい。
歩いていくギルに並ぶロロだが、ジーナはただそれを黙って見ている。
珍しいなとファルは思ったら、急にジーナに見られた。

「ねぇ、あなた。あたし、言いましたよね?お姉さま達から離れてって」

「何のことだい?」

「なのに何で同じ学校に入ってくるんですか?馬鹿ですか?」

心底蔑んだ目で見るジーナに溜息を吐くファル。
そして表情が一変した。

「黙れ小娘。姫だかなんだから知らんが、捻り潰すぞ」

「お兄様は今の状況を黙認していますが、私は気に入りません。だいたい・・・・・・・」

「ジーナ、早くきなさい。遅れる・・・・・・・ってどうしたのよ?」

心配になって戻ってきたのかロロが怪訝そうな表情をするが、そこには何時も通り取り繕った表情をした二人。

「なんでもないよ?ただ今回の改造水鉄砲のことで質問を受けていただけ」

「そうですよお姉さま。あの腐れ外道と違ってファルさんは博識ですから」

心にもないことを言い合いながらもそれを決して表面には出さない。
それは暗黙の了解だった。
嬉しそうな表情でロロに付いてくジーナだが、ファルに舌を出して子供のように不機嫌をあらわしていく。
いつものように溜息を吐くファルだが、別にジーナが嫌いなわけではない。
ジーナはむしろ・・・・・・・・・。
もちろんそれには事情があるのだが・・・・・・・それをギルとロロに話す日は永遠に来ないだろう。
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