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2-1 最初のイベント

「なぁファル」

「何?ギル」

「俺達、朝は入学式じゃなかったっけ?」

「・・・・・・・・・僕もそう思っていたけど」

じゃあこれはなんなんだろう。
限界まで傾いた首で頭の上にハテナを浮かべるギルとファル。
そこには何の冗談か水鉄砲を構えた数人の生徒達。
対するファルとギルはそれに相対するかのように水鉄砲を構える。
真面目に水鉄砲を構える生徒達・・・・・・・・実にシュールだ。
意味不明の状況だが、それを説明するには朝に戻る。







ギルとロロを起こしに行ったファルだが、今日は珍しくギルが起きていたので全てをギルに任せていた。
いつもならこの後に三人分の朝食を作ってその日にやることの準備をするのだが、今日は早朝から入学式。
時刻で言えば明け方の4時・・・・・・・・・なんでそんなに早いのかは分からないが、朝食は食べなくてもいいとのことだ。
歓迎会もかねてパーティーでもするのだろう、というのはファルの弁だ。
それを聞いたギルが荷物からスーツを引っ張り出していたが、入学式にそんなものを着ていくと目立つ。
いいから自分の所属するギルドの制服を着ていけとロロに言われて渋々と手に持ったスーツをしまったのだ。
あの後、剣士服と呼ばれる軽装を身に着けていた。

「ふぅ」

そんなわけで入学式なので用意する事もなく、暇をもてあましていたファルはコーヒーを飲んでいる。
幼馴染のギルはきっと今頃、寝顔を見られたとか理不尽なことを言い放つロロから蹴りを食らっている頃だろう。
ふと、首からチェーンで提げている錆びた鍵を手に取り、あらゆる角度から眺める。

「いてて・・・・・・・・・何も蹴ることねぇじゃねぇか・・・・・・・・・」

「うっさい!あんたが勝手に部屋に入るからじゃない!それに乙女の寝顔を見るなんて・・・・・・・・・不潔よ!」

「いや、ファルにいつも自分を起こさせてるだろ?」

「・・・・・・・・・そりゃファルはどうでもいいけどさ、ギルに見られるのは・・・・・・・・・」

「何だって?」

「う、うるさい!」

どこのラブコメだ。
ファルは溜息を吐いてコーヒーを口に含む。

「おうファル。今日も朝からはりきっていくぜ!」

「ぶほっ!?」

いきなりギルに背中を叩かれたファルは口に含んでいたコーヒーを思いっきり噴出す。

「きたないわよ!」

「朝なんだからリフレッシュにいこうぜ?」

「・・・・・・・・・君らさ、死ねばいいのに」

そんな日常のシーン。
しかしそんな日常は突如終わりを告げた。

『あー、あー、まいくてすまいくちぇ・・・・・・・・・まいくてすなの!』

噛んだことに対して一人で逆切れをするその放送に広間にいた三人は設置されているスピーカーを見る。
入学式そのものをまだ済ませておらず、寮に入ってから数日しかたってない三人にとって何の放送かは検討もつかない。
というか声と喋り方が10歳周辺なのはどうなんだろうか。

『みなさん、これから卒業するまで一緒になるクラスメイトたちを発表するの。
 一度しか言わないから、ちゃんと聞いてないと学園で恥をかくことになるの。
 まず一組が・・・・・・・・・・』






「・・・・・・・・・全員一緒だね」

「そうね」

「別にいいじゃねぇか」

はっはっはっと笑いながらファルと肩を組むギル。
その様子にロロが一瞬ムッとしたのを目撃したファルは、恐らく一瞬でも考えたであろう想像を全力で拒否したかった。
だってさ、何か少し期待するかのような眼差し向けてるんだもん。

『以上なの。さて、新入生のみんなにはこれからゲームをしてもらうの』

「「「ゲーム?」」」

三人の声がかぶり、ふと周囲を見ると新入生が同じように首を傾げていた。
よく見てみると新入生以外のある雰囲気をもつ冒険者が一人もいない。
おそらく全員が新米冒険者・・・・・・・・・ファルはそこまで考えて、嫌な予感がした。

『まず皆さんの部屋に一丁の水鉄砲を送らせてもらったの。
 そして水鉄砲で他の新入生の人にぶっかけてなの』

「・・・・・・・・・はぁ?」

いみふ、そんな言葉を呟いて説明を求めるようにファルのほうへ振り向くギルだが

「僕も意味が分からない」

『最後まで生き残った人が勝ちなの。商品はある特権なの』

・・・・・・・・・?
特権の内容を言ってもらえないと、頑張りようがないぞ。
そう思い首を傾げるギルに、次の瞬間稲妻が走る。

『まず一つ目は今人気のアイドルNINO&NANOのサインなの』

「なんだと!?優勝だ!優勝してみせるぜ!」

ギルは「うおっしゃあああああぁ!」と雄叫びを上げて自分の部屋に向かって走っていった。
たぶん水鉄砲を取りに行ったと思うのだが、なんかこう、商品が俗っぽい。
ちなみにロロは走り去っていくギルに絶対零度の視線を投げかけている。

『二つ目は自分が倒した人の中から任意で強制的にパーティーを組ませられるの』

「いきなり普通になったわね」

しかし次の瞬間、ロロに稲妻が走る。

『三つ目はなんとなの!胸が大きくなる不思議なクスリなの!副作用もない、優れものなの』

「優勝よ。全てを蹴散らしてでも優勝してみせるわ」

ファルはチラリロロの胸元を見た。
・・・・・・・・・なるほど、気にするレベルではあるな。
そんな失礼なことを考えつつどうしようか考える。
走り去るロロはきっと自室に向かうのだろう。
となると自分も早く武器を手に入れないとダメだろう。
適当に負けてもいいが、学園の成績にも吟味される可能性がある。
・・・・・・・・・よし

そうしてファルは静かに動き始めた。
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