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ぺるーん

水曜日に更新するとか言っておきながら更新しなかったBALSENです。
でもアクセス解析見てみると水曜日は誰も来なくて、今日もまた誰も来てないから別にどうでもいいよね!
アクセス解析見る度に自己満足万歳と意味なく誇らしげになりまする。

さてARは・・・・・・・・どうせ誰も見てないんだろう?と思って手を止めてしまった俺は悪くない。
うん、まぁファルにも苦手な人がいるんだよー、って話です。

先日ギルドメンバーの方と取材にいきました。
内容に関しては後日アップしますが、日に関しては未定です。
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2-49 暗躍する者

ギル達は僕がファルだと思っているようだけど、我はファルじゃない。
確かに僕はファルなのだが正確に言うならばファルが我だと言ったほうが正しいだろう。
もちろんこれは時が来るまで教える気はないし、その機会は既に決まっている。
ならば僕からギルに話すことは何もない。
ただ・・・・・・・・・ただ僕は忠告だけはしてしまった。

「絶対にロロだけは好きになっちゃだめだよ」

その時のギルの顔に「何言ってんの?」と書いてあったが彼が意図を理解するのは一生なくていい。
本来僕は鑑賞することはあっても干渉だけはしてはいけない。
それも彼の運命を変えてしまうような干渉だけは絶対に。
いや、干渉しても意味がないといってもいい。
だというのに彼にその忠告をしてしまったのは何故だろうか。
こんなことをすれば主様が悲しむかもしれないことは分かっていたというのに。
・・・・・・・・・いや、このままギルがロロを好きになってしまってもそれは同じことだ。
ただギルに忠告をすれば僕は主様から嫌われてしまうかもしれないというデメリットがあるだけだ。
主様に嫌われる、そう思うだけで身体は震えが止まらなくなり、動悸が激しくなる。
きっと主様は許さない。
世界を愛していた主様は僕を怒る。
そう決まっている。
何かを引き止めるように、縋るように胸元の古ぼけた鍵を握り、考える。
僕が何故そんなリスクを冒してまでギルに肩入れをしたのか。
・・・・・・・・・友情だとでも言うのか?
僕が?
この僕がか?
ギルに友情を感じている?
馬鹿な。
そんなことがあるわけがない。
僕はギルを信用していない。
それどころか誰も信用していない。
あるのはただかつて主様が願った夢を叶える為においている周囲の人間だけ。
だから僕は・・・・・・・・・僕は・・・・・・・・・

「どうかしましたか?」

「・・・・・・・・・」

長い間、思考に入り込んでいたらしい。
気付けばジーナが心配そうに顔を覗き込んでいる。

「何でもない」

冷たく言い放ち、兵士達が囲う絨毯、その中央を堂々と歩く。
彼女のことは嫌いなわけではない。
僕のために努力しているのを否定する気はない。
だがそれと僕が彼女に好感を抱けるかという話は別問題だ。
何か言いたげに口を開いたジーナだが、それが言葉となることはなかった。

「久しぶりだね。今はファルと呼んだほうがいいかい?」

「構わない。それで」

兵士達がファルの一挙一動に警戒心を抱いているのを感じつつも不敵な態度を崩さず彼、クロウに言い放った。

「これで精鋭なの?僕なら一分・・・・・・・・・いや、40秒で全員片付けられる」

戦いに疎い一般人でも分かるほど濃厚な殺気がファルに突き刺さるが本人は何も感じてないかのように続けた。

「このままでは近い将来起こる聖戦に間に合わない」

「やれやれ・・・・・・・・・これでも軍事はだいぶ強化したんだよ?」

これ以上そっちに予算を回すと色々な方面から苦情が来る。
そうクロウが付け加えるがファルはしかめっ面で言った。

「前話した通り君が訓練教官をしてくれれば問題ないんだけどな」

「僕は予言の通りにする為にもギルに降り注ぐ災いに注意を向けなければならない。
 その為なら何だってしてるさ。この前だってアインヘリヤルを殺したはずだよ?」

「まったく君は・・・・・・・・・予言を回避するってことは考えないのかい?そもそも詳しい内よ・・・・・・・・・」

「それは言えない」

「・・・・・・・・・」

「ただこれが僕にとって最善の未来だ、と言っておく」

「なら君の言葉を信じるしかないね」

「僕は君を信じていない」

「違うね。君は誰も信じていない」

先程まで考えていたことをあっさりと言い放たれたファルは眉を顰めるも「間違ってはいないね」と言った。
だがさらに、とクロウは言葉を追加する。

「君自身さえも信じていない。ファルが信じているのは敬愛する主だけだね?」

「・・・・・・・・・そろそろ本題に入ろう」

「ちょっと旗色悪くなるとすぐ会話逸らすんだから・・・・・・・・・まぁいいよ。それで話というのは───氷が見付かった」





氷が見付かった。
つまりそれは保険が完成したということ。
話を聞いてみると、とある冒険者が聞いたこともないような世界の果てで見つけてきたらしい。
道理で私兵で探索させても見付からなかったわけだ。
まぁ見付かったのは喜ばしいことではある・・・・・・・・・が、問題は見つけたきた冒険者の名前だ。
ナガレ=ノクトン、僕にとってこの世界で最も厄介といえる冒険者だ。
出来るなら会いたくない。

「ということで僕はこれから身を隠すから」

「え?ファルさん?」

ナガレが帰ってきている。
その事はファルが数少ない恐怖を感じる相手が今、身近にいる。
なんとしても逃げなければ。
となると急いでジュノー行きの飛行船・・・・・・・・・いや、あそこ(・・・)に行くほうが確実だろう。
何かを言いたげなジーナを無視して頭の中で逃走ルートをいくつも思い描く。
と、考えていると肩に手を置かれる。
なんだ、ジーナも行くの?
そう聞こうとして振り向くとそこには

「ほう。このナガレ様から逃げようなんて・・・・・・・・・調教が足りなかったか?」

不敵に笑う男、ナガレ=ノクトンの姿が。

「ぎゃああああ!?肩がっ!?肩がとけてるっ!」

「HAHAHAHA」

ナガレが乗せていたファルの肩から光の粒子のようなものが飛び、どんどん削られていっている。
とっさに持っていた剣の柄でその手を払い、距離をとる。

「あうあうあうあうあうあう」

「ふ、ファルさん?大丈夫ですか?というかこの方はいったい?」

「おや、ジーナちゃんか」

「はい?」

呼び止められたその声にジーナは過去の記憶を検索するが、このような人物に心当たりはない。
というかこのファルの怯えようはなんなんだろうか。

「久しぶりだな。といってもこんなに小さかった頃だからな。覚えてないだろ」

親指と人差し指の隙間で表現するナガレ。
そんな小さい人物はいません、と言いたいが先程のファルの反応から迂闊なことはいえなかった。

「ま、覚えなくてもいいが一応自己紹介をしておこうか」

ナガレはどこか彼に似た笑み浮かべながら

「ナガレ=ノクトン。世界を旅する渡り神の一柱だ。あ、こいつとは昔馴染みだ」

「ひぅっ!?」

踏まれながらこいつ、と言われているのは廊下の隅で可哀相なほど震えているファルだった。
助けたかったが、こういったファルも新鮮だったので結局助けなかったジーナ。
とりあえず、次は助けるから許してくださいと自己弁護しておいた。







ナガレがそう自己紹介をし、王城から去っていくとファルは立ち上がった。

「あの?」

「・・・・・・・・・あれは覚えなくていい」

「踏まれてたことですか?それともナガレさんのことですか?」

「どっちもだよ。だいたいもう会うことはないだろうし」

「いったいどなたなんですか?それにノクトンって・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・ナガレはギルとロロの先祖だよ」

「はい?」

「もう人間やめちゃってるから数百年は生きてるけどね・・・・・・・・・前に会ったのは10年前くらいだっけ」

「はぁ」

「あの装備を見る限り、そろそろ別の世界に行くみたいだからたぶんもう会わないだろうね」

2-48 似非神父と不幸少女

昨日の敵は今日の友。
そんな昔の言葉を思い浮かべながら、ギルは困惑していた。

「おかわりはいいのかね?成長期なのだから、食べないと大きくなれんぞ」

「・・・・・・・・・はぁ」

そこには似非神父こと、アカシアがいた。
こいつって指名手配じゃなかったっけ?
こんな堂々と居酒屋で食べてて平気なのか?
司祭服きてるって、隠す気あんのかこいつ?
そもそもなんで誰もつっこまないんだ?
つっこみ待ちか?
俺のつっこみ待ちなのか?

「・・・・・・・・・あの」

「なんだね少年?」

「何してんですか?」

「居酒屋にいてすることなど一つしかあるまい?」

アカシアが食べている焼き鳥の傍においてあるのはビール瓶。
神父って飲酒禁止じゃなかたっけ?
先日の戦いはいったいなんだったんだと苦悩する。
今日は日曜日。
王立学園が休日なのでファルがいないので外食を決めたのが間違いだったのかもしれない。
なんであの時寮の食堂を利用しないで中央通りに出かけたのか、1時間前の自分の問い詰めたい。
そしてこんな時に限ってなんで相席なんだ。

「さて、私はそろそろ失礼するかな」

昼時にも関わらず酒を飲んでいたアカシアはいつのまに食べ終えたのか、席を立つアカシア。
生返事を返してギルはすっかり冷めたスープを口に運ぶ。
ああ、普通の料理って素晴らしい。
って

「待てアカシア!」

店から出て行こうとしていたアカシアを呼び止めるギル。
聞きたいことがあったのだ。

「なにかね?」

「ナノちゃんはどうしたんだ?」

そう、彼女の行方はまったくつかめない。
もともと接点が多い彼女ではないが、男として、冒険者として、友人としても見過ごせない。

「天の御使いのことかね?彼女なら無事ははずだ」

「・・・・・・・・・」

「本当さ。あの後魔法少女とやらが来てね。それも鬼畜魔法少女だ」

・・・・・・・・・はい?

「・・・・・・・・・鬼畜魔法少女ですか」

「そうさ。君も気をつけたまえ。魔法少女はこの世の理を破壊する」

そういい残してアカシアは今度こそ居酒屋を出て行った。
色々とつっこみたい衝動にかられたがそこは我慢することにする。
一度敵対・・・・・・・・・というか犯罪者のアカシアだが、中身は案外人間味のある奴なのかもしれない。






どうでもいいイベントが発生し、このまま寮に帰るか露店をまわるかをギルは迷いながらベンチに腰をかけていた。
ふと自身の腕輪のメールシステムを呼び出し、受信メッセージを確かめる。
彼女、ナノへのメールは依然として帰ってこない。
アカシアの話を信じるならばナノは無事はなずだが・・・・・・・・・もしかして嫌われているのだろうか。
いや、それならアカシアと会った日、呼び出しに応じなかったはずだ。
となるとアカシアが嘘をついている可能性だが、これはおそらくだが低い。
あの時アカシアが気に掛けていたのはナノ一人で、自分とロロのことなんて道端の雑草くらいにしか思っていなかっただろう。
実際居酒屋でも相席で座った時、数分くらいしてから気付かれたもんだ。
出来ればそのまま気付かないでいてくれればよかったのに。

「ありゃ?ギルっち?」

声をかけられた、その声に反射的に振り返り見つけたのは黒いロングの髪に黒い目を持つクラスメイトのティアマト。
ラフな私服姿で・・・・・・・・・

「その胸についたアイスはなんだ」

「へ?ああ、さっきアイス食べながら歩いてたらさ、ちょうど柄の悪い人とぶつかっちゃったのよ」

「その真っ黒になった右腕はなんだ」

「家の鍵が焼却炉に入っちゃってさ。火を消してから中につっこんだのよ」

「・・・・・・・・・その頬についたキスマークはなんだ」

「いやぁ、間違ってオカマバーに入っちゃってさ。すぐ帰ろうとしたんだけど異様に気に入られちゃったのよ」

ファーストキスは守り抜いた。
そう誇らしげに胸を張るティアマトに思わず涙をこらえるギル。
相変わらずの不幸ぶりだった。
戦闘訓練や演習の時は不幸が襲い掛からないのに彼女の場合、実生活において不幸になるようだ。
どうにかしてやりたいが、かつてどうにかしようとして自身も不幸に見舞われたのは記憶に真新しい。
一緒に不幸体質を治そうとしたメンバーの中で特に被害を被ったジーナは数日間不登校で部屋に引き篭もったくらいだった。
我がクラスの結論は”そっとしておこう”ということになった。

「ところでさっきからスルーしてたんだが」

「なに?」

「その子・・・・・・・・・なんか黄色くなってるけど、ナノちゃんだよな?」

言うべきか言わざるべきか迷ったのだが、とうとう聞いてしまった。
ジーナの隣に立っているのはティアマトと同じく黒い髪の持ち主、『であった』ナノの姿が。
というか知り合いなのだろうか。
超ロングで立っているにも関わらず地面すれすれにまで届いているかつての艶やかな髪は黄色に変色していた。
いや、黄色くなっているのは髪だけではない。
服も黄色で統一されている。
ツンとにおってくるこの匂い。

「ペンキでもかけられたのか?」

「・・・・・・・・・」

無言で頷くナノ。
相変わらず表情が乏しいがどこか哀愁を漂わせているのは見間違いじゃないだろう。

「いやぁ、ごめんね?お詫びに昼食奢ってあげるからさ。まぁその前に銭湯だけど」

「(フルフル)」

「さてギルっち、そういうわけだから」

「(ウルウル)」

なの の なみだめ!
こうかはばつぐんだ!

「な、なぁティアマト。ほら、お詫びなんていらないんじゃないか?」

「何言ってるのさギルっち。ナノっちには迷惑かけたんだから何かするのは当たり前でしょ?」

「・・・・・・・・・ソウデスネー」

フルフルと振っていた首の速度が2倍程に上がる。
その光景に思わず目をそむけるギル。

「・・・・・・・・・」

ナノは失望したと言わんばかりに目に涙を溜めながらも睨みつけており、ギルは冷や汗を流した。
うん、これでフラグはもう立たないだろうな。
混乱しすぎて妙なことを考えるギルだが、背中はしっかりとティアマトに向け、
足は『ガ○ダム、大地に立つ』とサブタイトルをつけてもいいくらい前へ前へと地面を踏み進んでいる。

──あれ、そういえばナノちゃんって特級冒険者だっけ

・・・・・・・・・恋愛フラグを潰したかわりに死亡フラグがたったんじゃないだろうかこれ。
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