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たまにはお休みも。・・・・・・・・たまに?

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とりあえず97になりました。
なんだかんだで1.5倍中に96の6%からだいぶ頑張ったと思います。
あとはジョブを70にして3次へ・・・・・・・・・無理だろうね。

短剣葱は影葱の前提スキルと剣修練10、プリザ、スナッチャー9、CW1、リジェクトをとると合計ジョブ69になります。
しかし短剣葱としてはスナッチャーを10にしたい・・・・・・・・・ということでジョブ70を目指してるのですが、心が折れそうです。
R後は敵のjob値見直しとか未確認情報もありますが、どちらにせよR後しばらくはまだ葱でいそうです。
オーラまであと470m・・・・・・・・・あ、やっぱ無理じゃないか?

ところで前回前々回と取材をしましたが、二つともノリが違うのはお気付きでしょうか。
これぶっちゃけた話最初はノリだけで書いたので、二回目も適等にノリだけで書いたんですよ。
反響があれば頑張って書くかもしれませんが、なければだらだら書くことになると思います。
だってこれネタ作りの為だし、正直面倒なんだもn
なんせ過疎狩場行くって趣旨だからね!
だらだらだらだら、葱はトールで篭り続けます。

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掘られて叫んだけど、誤爆してもう一度ギルチャで叫ぶ狸葱の図。
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タヌキ探索日記

数日前、その事件はおきた。
ただ半分一度きりのネタにとやった探索をギルドマスターこと姉御に催促されて続きを書けみたいなことを言われたので、まぁシリーズ化するのもいいだろうとネタに立ち上げた会社を続行することに決めた。
所長が「チミ、暇だよね?取材行ってきて」とその目には断ったら給料減らすと語っていたので涙ながらどっかの島、ブラジリスという場所へ行くこととなる。
「なんでそこが取材なんだ」と聞いたらはぐらかされたが、昨日ダーツをしていたのが関係していると思うのだった。
愚痴を言ってても仕方なく、ブラジリス行きの船へと乗船するためにアルベルタへ。

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「そこはまるでモロクのように暑く、フェイヨンのように自然溢れる、よても神秘的な国です」

( ゚∀゚)・・・・・・・・・    ←暑いの嫌い虫嫌い

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・・・・・・はっ!
思わず断ってしまった・・・・・・・。
だが行かないと間違いなく給料減らされるBALSENは船員以外誰も乗ってない船に乗り、孤独な航海をするのであった。

ブラジリスについてまず行くところは観光名所的なものの撮影である。

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男か女かよく分からない生き物にパンツを渡されつつ、滝を激写!

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・・・・・・・・・滝は綺麗だけど水が濁ってますね。
まるで某西国の湖のように汚染されている!
おっと、カメラのメモリーがいっぱいになったな。
別に今日で終わらせなくてもいいし、とりあえずホテルに泊まろう。
就寝前に連絡した内容によると、なんでも新しい人員を送ってくれるらしい。
女の子だといいなぁ・・・・・・・・・あれ?
うちの会社って所長とうち以外社員いたっけ?







「・・・・・・ル君・・・・・・・・バル君!」

「はっ!?」

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「な、なんで所長がここに!?」

「人送るって言ったじゃないか」

「そういうオチかよ畜生!」

「まぁまぁ。とりあえず取材行くよ。ほら」

「・・・・・・・・・どうせ所長遊びに来ただけだし、手伝ってくんないんだろうなぁ」

「何か言った?」

「いえ何も!」

とりあえず所長の目もあるので、昨日のように適当な店でまったりしてたり、カメラのメモリーの容量を意図的に半分埋めておくことは出来なさそうだ・・・・・・・。

「すいません。ちょっとお聞きしたいことがあるのですが」

昨日喫茶店の店長に聞いた賢者マルタという人物を尋ねてみることに。
賢者というくらいだから色々知っているだろう。

「ほっほっほっ。話を聞きたいのかね?」

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・・・・・・・・お前に聞いてねぇよ!
その後何度も粘り強く聞いているが、答えはまた今度にしろの一辺倒。
というか所長、遊んでないで何かしてください。
そう朝食を食べながら言ってみるが

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「ほら、うち所長だし」

( ゚Д゚)・・・・・・・・・・もう何も言うまい。

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その後、謎の赤い物体を激写してから博物館に向かうことに。
何を飾っているのだろうとわくわくしつつ、取材スタッフは入館料を払・・・・・・あ、いらないんですか。

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「所長」

「何かな?」

「これ、マネキンと服ですよね?ここって服屋ですか?」

「うぅむ。古代の服なのかもしれん」

「古代・・・・・・・・・ちょっとトイレ行って来ます」

「そうだな・・・・・・・・・ここからは別行動にしよう」

トイレで一服しつつさぼろうと思っていた矢先にこの提案は、渡りに船だった。
とりあえずトイレで用を足し、流そうとした瞬間

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ウワーナニヲスルキサマー

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「ここは・・・・・・・」

そうだ、確か俺はトイレに引き込まれ・・・・・って汚っ!?
よく分からん清潔そうでないフナ虫みたいなのに歓迎されつつ、辺りを探索することに。

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眩しい・・・・・・・・・どうやらここの上は地上に通じているようだ。
しかしここからは出れそうにない。
数十分彷徨っていると、今までの下水とか一風変わった場所へ出ることに。

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所長!?

「あの、所長?」

「おお、バル君か。どうしたんだいこんなところで?」

「それはこっちのセリフですよ」

「僕かい?僕は優雅にビーチで泳いでいると突然大波がきてね・・・・・・気が付いたらここにいたのさ」

こいつ、仕事を俺一人に押し付けて遊んでいやがったな。
文句を言ってもどうせ給料を減らされるだけなので、一緒にこの辺りを探索することに。
・・・・・・・・・あ、あれは!

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腐海だ・・・・・・・・・不思議植物といい、水の色といい、たぶん腐海だ!
腐海は本当にあったんだ!
あれ?水の色って緑だったっけ・・・・・・・まぁ汚染されてるって意味では一緒だよね!

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大量の腐海の生物に追われるのはお約束!

やめて殺さないで!と言う所長の戯言を綺麗に流し、さくさく処理する。

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ひ、人がいた!
腐海に平気な顔でいるなんて・・・・・まさか姫様!?
とりあえず取材スタッフはこの人に話しを聞いてみることに。

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「に・・・・・・・日本語でおk!」

この人物、一人ジャイアンリサイタルでも開いてたのか鼓膜が破れそうになる何かを歌っていた。
一目散に逃げてみたが、やはり何か聞いてみたほうがよかっただろうか・・・・・・・・・
・・・・・・・・・あれ?
行き止まりだ!

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・・・・・・・・・所長、助けを呼ぶのはいいんですが、さっきのジャイアンはやめてくださいね。

2-10 作戦

ギルとロロが逃亡しているその頃、ある教員二人は廊下付近にいた。
タクとパールだ。
タクが罠を張り、パールがそれを魔法で隠す。
しかしこの時期にこんなイベントをするということは実力テストだろうから、ある程度の痕跡は残す。
注意深く見るものが見れば、見破れなくはない・・・・・・・・・とこの二人は思っているが、そんなわけがない。
冒険者になってもいないヒヨコが間違っても見破れるものではないことに二人は気付いていなかった。
熟練の冒険者が経験と勘をフルに活用してやっと回避できるくらいの罠。
つまりこの二人は今、計らずとも全力で新入生を排除していた。

「よし、これで女の子がひっかかったらべとべと液爆弾で絶景に・・・・・・ぐへへ」

「やめてください・・・・・・はぁ」

だらしない笑いを浮かべるタクに作ってしまったその罠に隠蔽を施すパール。

「だってさー、面白くないんだもん」

「だもんって子供ですか、貴方は。いいから早く次のポイントに向かいますよ」

「ぶーぶー」

「・・・・・・・・・」

ぶち殺されたいですか?その言葉を飲み込んで拳を振るわせるパール。
この男、態度こそふざけているがちゃんと仕事をしているのだ。
もし機嫌を損ねるとそのまま教員寮に帰って寝るとか言いかねない。
しかし急にタクの表情が固まり、叫んだ。

「っ!?パール!避けろ!」

「!?」

タクの声に従って身を低くして前方に身を投げ出す。
その直後、ちょうど首があった場所に何かが通っていくのを感じた。
着地して振り返ってみるとそこには例の少年、ファルが何かを考えるように立っていた。

「今のを避けた・・・・・・ということはやはり、標的には協力者がいたんだね」

ファルの呟きにパ-ルは内心舌打ちをしつつタクに指示を出そうとしたが

「な、なぁお嬢ちゃん・・・・・・?そんな物騒なものは置いてさ、ほら」

タクのほうから焦った声が聞こえたので見てみると、パールは絶句してしまった。

「汚物を消毒できたなら、しまいますが」

「・・・・・・・・・汚物って僕のこと?」

「他に誰がいますか?」

自分の存在意義についてを少し考えてたタクがジーナに向けられている武器、それはライフルだった。
これでもかというほどライフルだ。

「ちょっと待て許可証持ってるの!?」

「幼少の頃に試験はパスしました。淑女のたしなみです」

それ絶対違う。
そんな淑女、いてたまるか。

「この距離なら避けられませんよね?なに、大丈夫です。ゴム弾ですから・・・・・・・死ぬ程痛いですけど」

「次こそ、当てるよ」

構えなおすファルとジーナに、大いに冷や汗を流しながらタクとパールは退路を探した。






「逃げ切ったか?」

「わからないわ。あの人なら、地獄に逃げても追ってきそうで・・・・・・」

とある部屋の一室、謎の魔法陣が床に書かれている部屋でギルは呼吸を整えていた。
担がれていたロロが言うにはガルマー先生は天井から降ってきた猫をキャッチしていたらしい。
おそらくこれも校舎に仕掛けられたトラップの一つだろうが・・・・・・いったい何のトラップなのだろう。

「しかしガルマー先生・・・・・・先生でいいんだよな、あの人?」

「・・・・・・・・・いいんじゃない?」

投げやりなロロだが、どうやら部屋が気に入らないようで、落ち着きなくソワソワしている。

「何よ古代魔法研究会って・・・・・・」

「胡散臭いよな・・・・・・っと、それで本題だけど、ガルマー先生が罠にひっかかってたってことは作ったのはあの人じゃない。
 誰か協力者がいるってことだと思う」

「確かにそうね。となれば攻めるにしても最低相手が一人増えても大丈夫くらいのは考えたほうがよさそうね」

そうだな、と言ってからどうやってあの難攻不落を落とすか考える。
50k以上の重りをつけてようやく自分と同じくらいの身体能力。
そもそもギルもロロを担いでいたのだが、相手は手足に重し装着しており、程度が違うのだ。
普通に戦えばまず勝てるわけがない。

「こういうのはファルが得意なんだけどなぁ」

「仕方ないじゃない。はぐれたんだから」

「まったくよ、あの二人はいつも一緒だよな・・・・・・俺達を置いて」

「同感ね。自重して欲しいわ」

真実は二人が突っ走ってそれを二人が置いていかれるという構図なのだが、気付いてもすぐにそれを二人が忘れるのだ。
現に今も二人は置き去りにしたことを忘れて二人を攻めている。

「せめてロロがいれば戦略に幅が出るんだけど・・・・・・あの子もいないわね」

「ああ・・・・・・ってちょっと待て」

「何よ?」

「俺達ってさ、今まで気付かなかったけど・・・・・・・・・役立たず?」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

沈黙。

「ま、まぁ誰にでも得意不得意はあるよな!」

「そうね!きっとそうよ!だから私達が役立たずなんてことはたぶん、おそらくないわ!」

精一杯の虚勢を張る二人だが、言葉とは裏腹に心に傷がついていく。
言ってて虚しいのだ。

「・・・・・・それで、どうするよあれ」

「というか私達が罠にかからないでガルマー先生から逃げ切れたのは奇跡よね・・・・・・・・」

逃げている時は考えてなかったが、全力疾走で廊下を走り回っていたのだ。
不可視の罠にいつかかってもおかしくない状況だった。
なんで罠にかからなかったかは謎だが、とにかく幸運だった。

「・・・・・・・・・うん?罠・・・・・・か」

「どうしたのギル?」

「あれが使えるか・・・・・・・・・?幸い材料もここにありそうだし・・・・・・・でもファルがいないと発動すら・・・・・・」

「聞きなさいよ!」






「やぁやぁ、今日もニコニコ、タヌキことバルセンと!」
「うっさいですよ屑。貴方と話すと耳が穢れるので早めにこのコーナーをやめてください。
 というか死んだほうが二酸化炭素の削減に貢献できますよ?屑人間よりは幾分かマシになりますね」
「・・・・・・・・・ひでぇ」
「何を言いますか。夜中に拉致をしてこんな謎空間に呼び出した時点で、屑人間であることは確定です。
 常識を知らないんですか?」
「いや、確かに悪いとは思ってるけどそこまで言わなくても・・・・・・と、待て」
「なんですか」
「この調子だとまた長引くかもしれん。いい加減本題に入ろう」
「・・・・・・・・・仕方ありませんね。そして今回は質問来たんですか?」
「・・・・・・・・・」
「なるほど。もう打ち切ったほうがいいんじゃないですか?」
「いや・・・・・・そんな・・・・・・でもさ・・・・・・」
「そうやってズルズルと引き摺って書き続けて、何がしたいんですか?」
「うーん・・・・・・自己満足?」
「言い切りましたね・・・・・・」
「ま、とにかく質問がないのでお題は溜まり場で軽く話したあなたの技術と職業の関連性について話します」
「なるほど。私のことなら、少しは興味がわきますね」
「まず質問ですが、ジーナが改造水鉄砲やら今回はゴム弾とはいえライフルを持って出てきましたね。
 もはや貴方、ガンスリですか?ってくらいです」
「いえ、私は銃を極めたいわけじゃないんですが」
「ですよねー。まず最初に区別して起きたいのがブラックスミスはあくまで鍛冶師です。
 武器は基本的にこの人たちが作ります。
 もちろんブランド物の無名品もありますが、大きいギルドになれば専用の鍛冶師を雇います」
「鍛冶師なんて無骨な仕事、嫌ですよ?」
「とまぁ、基本的に女性にはなるのを嫌われている職業ですね。
 魔法機械関連は主にセージの担当です。彼らは魔法が最も効率よく作動する機械を作れます。
 杖なども作れますので、鍛冶師は剣や槍等の物理的な武器、セージは杖や魔法補助具等の作成を担当しています」
「ちなみに銃は古代文明の遺物で、複製するのに平均一つ1年はかかりますね」
「その辺がネックになってるんだよね。高級品だし、弾も決して安くないから使ってる人も少ないんだよ」
「ですね」
「だけど前の後書きでも書いた通り、その辺の職業の違いは曖昧なので、ウィザードでも魔法機械は作れます」
「魔法機械は技術ですからね。作れる人は作れますよ?私の父も趣味と実益を兼ねて作ってますから」
「そんなこんなで皆さんわかってくれたかな?それでわここらへんで、さよならー」
「ふぅ、やっと帰れますね・・・・・・」
「・・・・・・少しは愛想を振りまこうと思わないの?」
「愛想を振りまいて私の待遇がよくなるならいくらでも振りまきますが」
「・・・・・・考慮しようか」
「そうですか。でわ・・・・・ごほん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、また読みに来てくださいね?♪
 もしも来てくれなかったら・・・・・・ジーナ、寂しくて死んじゃいますから・・・・・・」
「いったい何の層を狙ってるんだ!?」

2-9 遭遇、絶対者

突然だが人には第六感というものが存在するらしい。
事実、それによって人は気配を感じたり嫌な予感に陥ることがある。
もちろんそれら全てが正しいとは言わないが、そう呼称する何かが作用する時がある、それは間違いないだろう。

「だからファルとジーナがいないのは俺のせいじゃないな。うん」

「全然話が繋がってないわよ!」

「モッツレラァ!?」

ロロに蹴り飛ばされたギルはなぜかそう叫んで倒れた。
けられた箇所は後頭部・・・・・・・こいつぁ、いてぇぜ。

「どうすんのよ。筋肉馬鹿のあんただけじゃ、どうにも何ないわよ?」

「筋肉の何が・・・・・・」

「うっさい黙れ!」

「ペンデュラム!?」

文句を言いかけたギルの顔面を今度は回し蹴りで沈めるロロ。
モンク志望と言われて、納得できる俊敏さだ。
だいたい、とギルは思う。

「こういう時は高いところにいるって決まってるぜ」

「・・・・・・・・・・・・その心は?」

「魔王だって最上階にいるもんダッピャ!?」

「うるさいうるさいうるさい!もう黙りなさい低脳!張り倒すわよ!?」

「なっ!?俺はサンドバックじゃないんだぞ!」

「サンドバックのほうがまだ癒し効果あるわよ!馬鹿のこと言わないし!」

「傷ついた!今の言葉は俺のハートを千切りにした!傷ついた!」

「同じこと二回も言ってどうするよの!」

「うっさいこのペチャパイ!」

「なー!?言ってはならないことを・・・・・・!」

もはや子供の喧嘩であるが、当の二人にとっては大いに真面目である。
普段ならここにファルが仲裁に入るのだが今、彼はジーナと一緒に別の場所にいる。
もしジーナがいたら・・・・・・・いや、たぶんギルが一方的に罵られる展開になるだけだろう。
ギルはふと言い争っていた口を止め、何かを感じて辺りをキョロキョロと見始めた。
・・・・・・・・・なんだろう、嫌な予感がする。

「・・・・・・!?ロロ、危ない!」

とっさにロロを肩に担ぎ、ギルは全力で走り始めた。

ガガガガガ

「なっ!?」

急に荷物の如く持たれたロロは当然文句を言おうとしたが、ギルが見えていない背後のそれを見て唖然とした声を出す。

「ふむ・・・・・・はずしたか。やるな」

何か背後から声が聞こえたが、ギルは振り向かずに走り続けている。
やばい、あれはやばい。
二人がかりならとかそういう次元じゃない。
実力差がありすぎて、例え相手が両手を縛られていたとしても間違いなく勝負にならない。
半ば恐怖に取り付かれ、動く足は止まることはない。
ロロですら文句を言わずにその相手を凝視して動きを探っている。

「いったい誰だったんだよおい!?てか何が起こったんだよ!?」

「知らないわよ!急に現れて、気付いたら地面が引っ掻かれたみたいに・・・・・ああもう!何よあの化け物!
 って、追いかけてきた!?ごめんなさい化け物って言って!だから来ないでえぇぇぇ!」

叫ぶようにロロが言うが、当然背後の人物は意に返さず追いかけてきているのが背中越しだが分かる。
その気になれば一瞬で片付けられるだろうが・・・・・・いや、ひょっとして遊んでいるのか?

「別に気にはしてない」

「・・・・・・・・・え?なら・・・・・・そのまま立ち止まってくれるわよね?」

確認というより願望を込めてロロは言ったが

「否。我の役目は生徒の排除でな・・・・・・悪いが退場してもらう」

「排除・・・・・・・?あ、ギル!あいつ鷲のバッジつけてるわよ!」

「え、マジかよ・・・・・・」

ギルは絶望に駆られつつも、その人物が朝に呼ばれていたガルマーという名前を思い出す。
学園関連なら無茶はしないだろうと思い、こっそりと後ろを見てみる。

「・・・・・・・・・何この無理げー」

ガルマーと呼ばれていたその人物は今、ギルと同じ速度で走っている。
その彼が身に付けている物、それは筋トレに使うような大量の重りだ。
目視なので分からないのだが、手足だけ見ても最低50キログラム以上の重しをつけている。
遊んでいるのかと思ったが、ガルマーの目に浮かぶそれはいわば、マジだった。

「ふん!」

「ちょっ・・・・・・!?ギル右!」

ロロの声に反応してギルは右へと一歩ずれ、その瞬間頭のあった場所に黒い物体が通り過ぎていく。
それは廊下の彼方に飛んで行き、何を飛ばしたかは判断できないが当たったら意識を保てるか謎である。
一旦置いて黒い物体が廊下の突き当たり辺りで凄い音を出した。

「ロロ、今のは!?」

「たぶんだけど、黒板消しよ。信じられないけど・・・・・・手首のスナップだけで投げたわ」

「・・・・・・・・・」

もう何も言うまい。
そう決心しつつ廊下の突き当たりを曲がろうとしてその途中で見たそれを見て、若干参加したことに後悔する。
コンクリート製であろう壁に、黒板消しがめり込んでいたのはたぶん夢に出るかもしれない。

「よし、よく分かった」

「へ?」

「あれはきっと古代からやってきたジェ○イなんだ・・・・・・暗黒面に落ちたから黒板消しを使っているんだ」

「な、何言ってるのよ?ギル?」

「ふ・・・・・ふふふ・・・・・・フォ○スの力に頼るからだ・・・・・・あの俗物め・・・・・・」

「正気に戻りなさいギル!こら!」

「あうちっ!?」

後の話ではその漫才のような彼らに呑気な者達だな、とガルマーが思ったとか。






「今日はまたもやレポートを書かないで小説を書いてるバルセンと!」
「ロロよ。よろしく」
「テンション低いっすね」
「うるさいわね。さっさと終わらせて寮に帰りたいのよ」
「却下。今日のお題は・・・・・・・ずばり!『この世界の職業について』だ!」
「ねぇ、それって小説でどうせ書くのよね?こんなところで暴露してもいいの?」
「触り程度だから問題ない」
「あ、そう」
「まずこの世界大まかに分ければふっつーの職業の人と冒険者に別れています。
 あ、ニートはどうなんだというツッコミはいらないからね?」
「はいはい」
「・・・・・・・・・。とまぁ、この発言通り冒険者がよほど特殊な職業ということがわかりますね。
 さてROとどの辺りが違うか、ですが」
「ちょっと待ちなさい」
「うん?」
「ROって何よ?」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「それで職業ごとの違いは簡単に言えばスキルの差なんですよー」
「分かりやすいほど清清しく逸らしたわね」
「だってネタバレ自重なんだぜ?」
「はいはい。これ以上長くするのもあれだから早くしてちょうだい」
「了解。つまり剣士にも騎士と聖騎士がありますよね?漢字だとあれだから本編ではナイトとクルセイダーにしますが」
「うんうん」
「これらの違い、それはギルドから教わった他言無用の技術をどこから教わったかで変わります」
「うん」
「つまり騎士ギルドに入れば騎士のスキルを教わりますが、基本的にその学んだ技術を他人に教えることはありません」
「なんで?」
「その辺は大人の都合ですね。伝統工芸の技術を気軽に一般人に話したりしたら産業に大打撃を受けるのと同じです」
「・・・・・・・・・ずいぶん夢のない話ね」
「ギルドから抜ける時は記憶を消されます。といっても抜け道なんていくらでもありますがね」
「へぇ」
「まぁ、といっても表立って他人に技術を教えてることがばれたりしたら捕まります。王様に」
「王様は利権主義を認めてるの?」
「その辺までつっこむとお題から外れるので流します。
 ・・・・・・まぁ、他人に教えるといっても向き不向きはあるし、
 覚えるのにかなりの時間がかかるから大抵の場合は身につかないんだけどね」
「へぇそう。それじゃあ、私はもう帰るわね」
「え。まだこれからなんだけど」
「見なさいよ時間!どんだけ喋ってんのよ!?」
「はっ!?・・・・・・・これは前回以上に多い後書きになりそうだな・・・・・・」

2-8 トラップ校舎

「ゲルト=レミエール・・・・・・行動力B、判断力D、身体能力D・・・・・・・・・」

ブツブツと呟きながら手元の書類に英字を書き込んでいくのはウィザードの制服を着たフードをかぶった女教員だった。
このゲームは前日のものと合わせて生徒の実力テストでもあるのだ。
生徒の行動傾向、さらに色々な要素を合わせてこれからの訓練の方針にする。
それを出来るのがある意味彼女、エイボンだけであった。
といってもそんな当然だが理不尽な仕事に彼女はイライラしていた。
新入生が入る時期にエイボンがイライラしてタクに八つ当たりするのは見慣れた光景でもある。

「・・・・・・・・・皆Eでいっか」

サラリと職務放棄を宣言しつつも、書き込む手は止まらない。
それなりの手当てはもらっているのだから、その分仕事をしなければならないのだ。
傍目からはフードでまったく容姿が伺えない分、ブツブツ何かを呟いているその姿は、ホラーである。
しかし呟きはある書類を取った時、ピタリと止まった。
そしてエイボンはその書類を近づけたり遠ざけたりして色んな角度から見る。

「・・・・・・・・・?この子・・・・・・・・・」

魔力は平均値。
身体能力は高いが、あくまで平均よりは、というレベルだ。
ペーパーテストでは見事に平均点が70点と目立った箇所はない。

「彼の・・・・・・・・?」

ポツリと呟き、あるカメラからの映像を視ると、そこには書類の写真と同じ顔をした少年。

「・・・・・・・・・キリア」

疑念は確信へ。
なんてことはない、ただの知人じゃないか。

「ファル=ブリューナク・・・・・・・・・行動力D、判断力A、身体能力C、傾向は・・・・・・・・・」

さしあたりのないことを書き、その書類を詰まれている山に放り込むと次の書類を取り出す。
どうせ校長辺りは既に知っていることを知りつつ。






エイボンが書類を処理していた一方、肝心の生徒達はというと困惑していた。
最初こそ雪崩のように校舎を探索していた新入生達だったが、今彼らの足は完璧に止まっている。
誰もが周囲を警戒し、目を凝らしていた。

「なんだよこれ・・・・・・・・・」

ポツリと呟いたギルの一言に足が攣ったように痙攣していた男子生徒一人がプレッシャーに耐えられず飛び出した。

「わいはぶつかるでー!」

「あ、馬鹿」

ファルの呟きと共に何処からか出現した丸太に直撃し、校舎外に吹き飛ばされるエセ関西弁の男。

「きゃあ!?」

さらに巻き添えを食らって女生徒までもが窓からダイブしていた。
大丈夫なのだろうかと思うが、さすがに教員が生徒を殺したとか洒落にならないので、安全措置はされているだろう。
それより問題は今、目の前でプランと吊られている丸太だ。
天井を見てみるがどこにどうやって仕掛けたのか分からない代物である。

「ジーナ、どうかな?」

「・・・・・・・・・魔力で隠蔽してるみたいですね。巧妙すぎて発動した後じゃないと気付きませんが。
 というよりファルさんのほうが分かるのでは?」

どこか・・・・・・否、間違いなく責めているジーナにファルは視線を逸らすとどうしたものかと首を捻った。
さりげなく周囲、特に天井端付近に注意してみるとやはりファ○ネルっぽいのが浮かんでいた。
となるとこれは学校の何かしらの行事か、それともあれを仕様しているのがいわゆる逃亡者で、
自分達を監視することによって逃げることを有利にしているのか・・・・・・。
そこまで考えて再び聞こえてきた声にファルは思考を中断する。

「ぎゃああああああああ!」

「これじゃ動けないわね」

よく分からないのだが校舎の中に全員が入り込んでから罠が作動するようになった、そうとしか思えなかった。
事実、一旦来た道を通って校舎の外に出ようとした者が罠にかかったからだ。

「ああもう!しゃらくせぇ!つっきるぜ!」

「え、ちょっと待ってファル!」

いったい何処へつっきるというのだ。
そう言おうとしたが既にギルは駆け出した後で、ファルの言葉など片耳にも入っていない。

「赤い鷲のバッジ!どこだ!」

「ちょっ・・・・・・待ちなさいファル!」

「色紙、ゲットだぜえええええええー!」

「そんなポ○モンゲットするみたいなノリで叫ばないでよ!」

お前らどこの売れない芸人だ。
そう思うのも束の間、動けないファル達を尻目にギルとロロは全力で離れていった。

「少しくらい私に合わせて走りなさいよ!」

「お前に足りないもの、それは情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ!
 そして何よりも、速さが足りない・・・・・・!」

「筋肉馬鹿のあんたと一緒にしないでよ!」

「筋肉の何が悪い!筋肉の何が悪い!」

嫌なエコーを響かせつつ完全に聞こえなくなりつつある声に頭痛を感じるファル。
ちなみにジーナはいつもどおり腐った食べ物にたかるハエを見るような目で、ギルを見送っていたが。







「ろーろろRO小説♪どうも、バルセンです」
「こんにちわ皆さん、ファルです」
「毎度ギル君だと飽きちゃうので今日はファル君に来てもらいました。ファル君、何か一言」
「そうだね・・・・・・ギルじゃなくなったのって前回のツッコミに嫌気が差したからなんじゃないの?」
「・・・・・・・・・それで今日のお題は『あれ?トマトんってショタキャラじゃないし、性格変わってね?』からです!」
「・・・・・・・・・。うん、僕はトマト先生のほうしか知らないけど、そうなのかい?」
「そうなんDeath!ニャッハー!」
「面白くないですよ」
「別にウケ狙ってないからいいもん。ま、キャラが変なのは・・・・・・ぶっちゃけそのままで小説に出すと色々弊害がでるからだ!」
「例えば何です?」
「まず最初にガルマーさんなんだけど、彼、強者のオーラを纏ってるって感じじゃないでしょ?」
「僕に聞かれても知らないし、本編の僕はまだガルマー先生に合ってないんだけど・・・・・・・まぁ、そうなんだ?」
「さらにタクさんはお調子者のスナイパーって設定になっちゃってます」
「キャラ被り防止だね」
「そしてあとはまぁ、まだキャラ性格みたいなのがあるんだけど・・・・・・主要キャラと被ったらあれじゃん」
「うん」
「ショタ且つ弄られキャラなんて絶対主要メンバーに入れないし、ちょうどいいかな・・・・・・と」
「・・・・・・ひどいな、君は」
「とまぁ、今回のお題はこんなところですね」
「前回と続いてゲストキャラの概要の説明だね」
「だってさ、質問こねぇんだもん。せめて『何何の何何はどうなってるんですか?』とか言われたらお題に出来るんだけど」
「人気ないんじゃないの?」
「・・・・・・・・・いや、溜まり場で聞いてみたけど一応見てくれてはいるらしい」
「でも話題にすら上がらないほど、面白味を感じさせられないってことでしょ?」
「・・・・・・・・・いや、あの?そこまで言わなくてもなぁ、と思うんだけどさ」
「だって事実でしょう。更新速度だってのろいしさ」
「だ、だけど頑張ってると思うんだ!」
「頑張ってるフリでしょ?バルセンだって『ガンバムVSガンダムNEXTのゲームが出るから12月3日からはレースだな』
って思ってるくせに」
「ぎっくぅ!?」
「長編で完結してる作品なんて一つもないくせにさ」
「お、俺の子供のくせして何て口の悪さだ!」
「はいはい、親きどりおつ」
「ちょっ・・・・・・本編で優遇されてるからって調子にのりやがって!いいもん!どうせ完結するかわかんねぇよこんちくしょう!」
「開き直った・・・・・・ダメ人間だね」
「うるせぇ!」




・・・・・・・あれ?後書き長すぎ?

1.5倍中に何やってるんだろうとふと思った

こんにちわ皆のヒーローBALSEN(笑)です。

W杯は散々ボロクソ言われていた日本が勝ったとかシーシェパードの元船長が国際手配されたとか世間では何やかんや動いていますね。

そんな中、BALSENはさすがに狩りに飽きてROで取材をしてみました。

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皆さん、このMAPは見ての通り、スリッパMAPだ。

アルデバランから上へと二つ移動することによって到達できる。

しかしよく思い出して欲しい・・・・・・・・・皆さんはこの先へと行ったことがあるだろうか。

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取材班は初めて踏み入れる未踏MAPへと思いを馳せ、ポータルへと乗った。

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スタイナーが取材班を歓迎するかのように迎えれてくれる。

MAPの広さのわりにはmobは少ないようだ・・・・・・・・・とりあえずサクッと天道虫を引き裂いて現地住民とコンタクトをとることに。

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とることに

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とる・・・・・・・ことに

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誰もいないよママン・・・・・・・。

ここは皆さんはこんなMAP知らねぇよ、という超過疎MAPでした。

レア?ハンターフライcでも狙っとけ。

取材班が帰ろうとしたその時、逃がすものかと迫ってくる蟲の大群が・・・・・・・・・!

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遊んでてかなり痛くて死にかけたのは内緒だからな!

彼らが人間と出合ったのは何ヶ月ぶりなのか・・・・・・・・・。



この後蟲はスタッフが美味しくいただきました

2-7 リベンジ

いつのまに片付けたのだろう、パーティ会場と化していた野外訓練所でギル達は集まっていた。
丸テーブルや簡易椅子は全てなくなり、代わりにいくつかの白いサークルと案山子が立っている。
たぶんこれがデフォルトなのだろう。

「・・・・・・・・・?ねぇギル」

ロロに話しかけられ、ギルは背負ったバスターソードをずらしながら顔だけ向ける。

「何だ?」

「さっきからこっち見られてヒソヒソされてるんだけど、あんた何かした?」

「・・・・・・・・・何もしてねぇよ」

そういうギルであるが、実は心当たりがある。
というか今朝、堂々とパジャマ姿で訓練したりそのまま気付かずに食堂で朝食をとったことが原因だろう。
部屋に戻って気付いた時のあの絶望感、言葉では表現のしようがない。

「何よその間。絶対何か心当たりあるんでしょ」

「疑問じゃなくて断定かよ!?」

実際そうなのだが、何か納得がいかない。
ファルに助けを求めるように視線を送るが、ジーナと何かを話しているのかまったく気付かない。
しかしジーナは気付いたようで、ロロに飛びついた。

「お姉さま!」

「今日は何か妙に注目浴びてるのよね・・・・・・・・・。ジーナ、何かしってる?」

「きっとクソ野郎が寝巻きで訓練してたからだと思いますが・・・・・・・・・」

すると先程まで見事にギルの存在を無視していたロロが道端に吐かれたガムを見るような目でギルを見た。

「うわ・・・・・・ちょっとギル、近づかないでよね。知り合いと思われるじゃない」

「ちょ・・・・・・・・・確かに原因はあるけどよ、そこまで言うのはひでぇ!」

ギャーギャーとギルが叫び、さらに視線を集めるという悪循環に陥っているのをファルは知っているが特に口を出さない。
ただ馬鹿を見て溜息を吐くだけだ。

『あー、あー、マイクテスミャ・・・・・・このマイクが悪いの!』

設置されていたステージに、いつの間にかトナ校長がおり、
何にキレているのかマイクをマイクスタンドごとゲシゲシ蹴っていた。
ステージの端にはオロオロとうろたえる男性教員・・・・・・ペン太先生がいる。

『こ、校長!皆見てます!見てますから落ち着いてくだ・・・・・・・・・』

そう言い掛けてトナ校長が蹴り飛ばしたマイクに当たり、悲鳴すらなく倒れるペン太先生。
その哀れな姿に何事かとざわついていた生徒達は一瞬だけ静まった。

『あ、トマトちゃん。新しいマイクかもんなの』

『ちゃん言うな!俺はもう大人だっての!』

『えー・・・・・・・・・大人で身長120センチくらいってありえないの』

『俺だって信じたかねぇよ!てか120以上はあるっての!というよりお前が言うのかよ!?』

『はいはい、わかったの。いいからマイク渡すの・・・・・・・・・』

ギルには『どうせ120.1センチとかそんなオチなの』そう呟く声が僅かに聞こえた。

『このアマ・・・・・・・・・ほらよ』

『まったくもう・・・・・・トマトちゃんは文句ばっかりなの』

『だったらその呼び方から直せごるぁあああああああああ!』

これ以上ないというほどの重い沈黙が流れる。
ファルですら現状の把握に追いつかず、トマトを振り回しているトナ校長を見つめた。

『うん、いいマイクなの。やっぱりマイクを確かめるには振り回すのが一番なの』

それ絶対確かめ方違う。
ていうより確かめる事が違う。

『みんなグッドモニーングなの!』

超展開に思考を追いやられている生徒達の反応はないが、ステージから見回すとトナ校長は満足げに頷いた。

『さてさて、今日は残念なお知らせなの。非常に、非常に残念なの』

もったいぶったような言葉にざわめきが生じるが意に返さずにトナ校長は続ける。

「いったいなんだってんだよ・・・・・・?」

「さぁ?新入生の僕達には分かりようがないね」

「うん?新入生?」

「気付かなかったギル?集まった人数だけど、たぶん新入生しかいないんじゃないかな」

3学年にしては大分少ないし、そう付け加えられ、ギルは周囲を見回した。
確かに人数がかなり少ない。

『昨日言い忘れてたの。あのゲームの景品は2番以外、つまりサイン色紙と不思議なクスリは一つしかないの』

「・・・・・・・・・」

『だから昨日のゲームはなし、取り消しなの。ごめんね☆』

「はああああああああああ!?」

「な・・・・・・何よそれえええええ!?」

叫ぶ二人の男女。
もちろんギルとロロである。

『あ、決してお酒で酔った勢いで賭けに負けて取られたわけじゃないから、許して欲しいの』

しかも具体的すぎる内容まで付け加えて飄々とした表情で謝った。
もちろん頭は下げずに。

「そうか・・・・・・・・・それなら仕方ないな」

「ってギルも納得してんじゃないわよ!」

「・・・・・・・・・はっ!だ、騙したなトナ校長!」

再びギャーギャー騒ぐ彼らに、いつのまにかファルとジーナは二人と距離をとっていた。
気が付くと騒いでいるのはギルとロロだけではなく点々とどこかで騒いでいる男の声も聞こえた。

「あかんでぇ!そいつはちょっと許しまへんで!わ、わいの色紙がああああああああ!」

・・・・・・・・・ファルは聞かなかったことにした。

『だから、これからゲームをするの。
 トナから取っていった色紙と不思議なクスリを持っている教員、ガルマーから取り返した人に・・・・・・・・・』

一旦深呼吸してからトナ校長はいった。

『その商品をあげようと思うの』

沈黙。

「・・・・・・・・・」

それは大きいのか、小さいのか分からないが誰かが手を挙げ、叫んだ。

「おおおおおおおおおおお!」

そして次々と上がっていく手と叫び声。
数人の生徒はやってられるかという表情でその集団からコッソリと離れた。
しかしそれでも新入生の半分以上は残り、雄叫びを上げている。
その中にはギルとロロが含まれているのだが、
そもそももらえる予定だったものがもらえなくなったことをすっかり忘れているらしい。

『ルールは簡単なの。この校舎にいるガルマーは赤い鷲のバッジを服につけてるの。
 ガルマーには何をしてもいいの。時間は5時まで、さぁスタートなの!』

その声と共にドドドドドと砂埃を巻き上げながら校舎へ突入していく者達。
一応何かしらの行事みたいだからと渋々入っていくファルとジーナ、それに複数の者。
そして下らんと一蹴して寮へと帰り始める者。
数多くの考えはあれど、鬼ごっこのような行事が始まった。






「・・・・・・・・・オカシイと思わないのかタク、パール」

「どうしたんだよガルマのおっさん?」

「ド○のパイロットみたいな名前ですね。それでガルマさんどうかしました?」

赤い縁の眼鏡をかけた女性、パールが鷹を肩に止まらせている男性、タクにツッコミを入れつつ聞き返す。

「何故、私がこんなことをしなければならんのだ・・・・・・・・・」

胸に光る赤い鷲のバッジと、手提げバッグに入っている色紙と薬瓶に戸惑いを隠せないガルマー。
先程の行事を校舎の職員室から聞いていたガルマーは、今日の朝一でトナ校長に渡された紙袋に、謀られたことを知った。
その際にトナ校長は「あ、一応協力は大丈夫なの」と言っていたが、今ならその意味は分かる。

「仕方ありませんね・・・・・・」

「ま、面白そうだよね。それで、どうするよ?」

よほど助けて欲しそうな顔をしていたのかと、ガルマーは自身の顔に触れるが特に変化はない。

「長い付き合いだから雰囲気で分かるよ。ま、面白そうだから手を貸すんだけどね」

タクはそう言って嬉しげに腕輪から自前の弓を出すと弦の張り具合を確かめる。
一方パールは本当に仕方なさげに腕輪から青い石を次々と取り出しては取り出した皮袋に入れていく。
とりあえず後でトナ校長には直訴する、そう思いつつガルマーは一人、姿を消した。






「やぁ、どうもバルセンです」
「あ、どうもこれはご丁寧に・・・・・・ってここどこよ?」
「ここは後書きのネタがなくなってきたバルセンが作った謎空間ですよギル君」
「・・・・・・・・・つっこみ所満載だな」
「いいじゃないか。それで今回、ゲストキャラが数人出てきましたね」
「強引すぎるだろその会話。まぁいいけどよ・・・・・・これはバルセンの所属しているギルドからのゲスト出演だって聞いたけどよ」
「はい、そうですよ?エターナルメモリー、略してエタメモ!」
「何だよその痛々しい略しかた」
「エタメモからバルセンが『小説に出しちゃうけどいいよね!?』という同意のもとに出しちゃう人たちのことです」
「え、その略し方固定なのか?」
「そして今回、ようやくシリアスを抜けて全部コメディができました。シリアスなんてどうせ誰も求めてませんしね」
「でもバルセンはもう少し普段から真面目にしたほうがいいと思うぜ?今日だってレポートの期日明日なのにのんびり小説書いてるしよ」
「とにかく次からは教員3人ヴァーサス!」
「何だよその微妙な発音」
「新入生!俺の心はマックスハートだぜ!」
「意味わからん」
「・・・・・・・・・ギル君さっきからうるさいよ?主人公降板ってもしされたらどんな気分なんだろうね」
「・・・・・・・・・!?い、イヤァ。バルセン様サイコー」

2-6 自主訓練

ふと、目が覚めた。
別になんてことはないベッドが変わったから寝つきが悪いだけだろうが、それでも時間を持て余してしまうほどだ。
こっちに来てからは何やら一人で起きている気がする。

「ファルにまた何か言われるな・・・・・・」

普段はギルを起こしに来るファルだが、起きているギルを見ると目を擦ったあと、もう一度ギルを見てこういう。

『・・・・・・・・・今日は不幸な日か』

まったくもって失礼な話である。
だがしかし、ギルがファルの手を借りずに起きた日は大抵何かが起こるのは確かなのだ。
事実、昨日は入学式にも関わらず意味の分からない水鉄砲でのゲームや
アルコール──校長、トナはジュースと言っていた──が公然と置いてあるパーティがあったのだ。
実はギルは優勝者の特典、その中でも特にサイン色紙を楽しみにしていだのが、それはまた明日ということらしい。
隣でファルが疲れたように溜息を吐いたのが印象的で、悪い予感しかしなかった。
加えて今日一人で起きられたという事実。

「・・・・・・・・・まぁいいか」

とにかくファルの手を借りずに早く起きたんだ。
いつもの日課をすることにしよう。

そう思うとギルは壁に立てかけてあるバスターソードを手にとり、寮の外へ向かった。





振り下ろし、薙ぎ払い、突き。
剣とは突き詰めると基本的にこの動作の組み合わせである。
もちろんそれだけでは語れない部分もあるが、剣術の土台といっても過言ではない。
そして父から語られた最強の剣士になる為の一番の効果的な訓練方法。

『これさえ守れば必ず最巧の剣士になれるさ』

そう言っていた父の言葉に期待したギルが聞いた言葉はあまりにも単純で、唖然とせざるおえない方法だった。
父はこういったのだ

『訓練の時間を誰よりも長く、誰よりも濃密に極める。これが最強への・・・・・・・・・・どうしたギル?』

何を言い始める。
最初はそう思ったがそれは当然のことを言葉にしただけで、間違ってはいないのだ。
確かに優れた師がいれば成長は早くなるだろう。
優れた装備があれば実力以上の強さを発揮できるだろう。
しかし最強になるに必要なのはただただ上を見上げる訓練だ。
下を見て満足するような強さではない。
頂上を目指す登山家のような志でもない。
それは見知らぬ果てを目指す旅人、あるいは冒険者のようだ。

「97・・・・・・98・・・・・99・・・・・・100!」

だからといって毎日する素振りは正直だるいの一言である。
基礎的な素振りを終え、ギルは次に型の練習に移る。
父から教えてもらった全ては、それだけである。
技も何も教えてもらっていない、ただ形だけの剣術。
それも当たり前だ。
父がいなくなったのは5年前、その時ギルは12歳。
身体的に無理が出来る年齢ではなく、まだまだ基礎を磨くべき時だ。
両親は最初からギルが冒険者になることに否定的だったということも考慮に入れるべきだろう。
だから父の剣技を教えてもらっていない自分は、自分の技を作らなければならない。
そこまで考えてふと昨日会ったハンサムの顔を思い出す。
クロウ、そう名乗った彼は確かに父から剣を教わったといっていた。
もしかしたらあの人物に剣を教えてもらうことで、さらに先へと進めるかもしれない。
さすがに何度も素振り、そして型の練習はもう飽きたのだ。
王立学園に入ったことでモンスターと戦うかもしれない。
そして模擬試合もするかもしれない。
だけどそれよりも早く、もっと多く、経験を積みたいのだ。
それも全ては

「イズルート・・・・・・バフォメット」

5年前の真実を知るために。






一方、ギルが訓練している様子を上から眺めている人物がいた。
それは彼の幼馴染、ファルだ。
一言で言うならファルは困惑していた。

「・・・・・・・・・なんであんな格好で訓練してるのギルは」

そう、ギルは今パジャマ姿で型の練習をしていた。
実に間抜けであるその光景に、ファルは溜息を吐く。

「ふん。こんな時でもギルギルギルですか」

「・・・・・・・・・いや、そう嫌味を言われてもな」

「うるさいです。2年前に忠告したというのに・・・・・・馬鹿ですね。やっぱり貴方、馬鹿ですね?」

「二度も言わないでね」

暇そうにポチポチと通信機器を弄るジーナに再度溜息を吐くファル。
どうしてこの小娘はここまでツンデレなのだろう。
きっと昔・・・・・・・・・いやまぁ、色々あったんだ、うん。
昔は可愛かったんだけどなぁ・・・・・・そう思ってしまうのは、ファルであろうと仕方ないだろう。

「で、何してるの?」

「兄様に連絡事項です。昨日、クソ野郎に邪魔されたんですよね?」

「また君は・・・・・・別に嫌いなわけじゃないのに敬遠する癖、やめてほうがいいよ?」

「うるさいです」

打ち終わった細長い物体を投げ出してゴロリと仰向けになるジーナ。
だいたい嫌いならファルに二人に近づくななんて警告しない。

「嫌い云々以前にファルさんがギルに近づくと不味いですよね?昨日も言いましたが、馬鹿ですか?」

「・・・・・・・・・」

ファルは一瞬殺気を出して脅そうかとも思ったが、それは昨日やって失敗してる。
というかこの娘っ子、2年間会わないだけで随分と図太くなっていた。
相変わらず二人の時は不機嫌オーラをばら撒いている。

ツンデレってさ、逆なんじゃないかこの子。
皆がいるときは普通なんだけど、二人になった途端ツンツンするし。
・・・・・・あれ?
デレどこいった?

「・・・・・・・・・ジュノーから手紙が届いてるのでまさかとは思っていましたが」

「仕方ないだろう。そういう契約なんだから」

「・・・・・・・・・知りません、もう」

プイと顔を背けるジーナに苦笑するファル。
下では相変わらずギルがパジャマ姿で素振りをしている。
まだまだ平和な朝だ、ファルはそう思った。

2-5 パーティ会場にて

はたして何の意味があったのか、そんな謎なゲームを終えたギル達はパーティー会場で各々行動をしていた。
ファルは料理を食べては頷き、そして別の料理に手を伸ばしている。
おそらく料理の研究だろうが、はたして食べただけで研究が出来るのだろうかとギルは思う。
そして自分のことをいつもこれでもかと足蹴にしているジーナは椅子に座って丁寧に食事をしている。
どっかのお嬢様かというほど綺麗な食べ方をしており、周囲にA・○フィールドが張られているかのように誰も近づかない。
というか近寄りがたい。
そしてロロは今、隣で暇そうにフルーツを食べていた。

「あ、あれも美味しそうなの!」

「こ、校長!」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・ねぇギル」

「言うな」

放送時から幼い感じのした喋り方の人物はどうやら校長だったらしく、外見は期待を裏切らない低身長だ。
語学学校の初等部にいっても違和感がないだろう。
王立学園の校長の名前はトナ=アムルーグ。
あれでも強大な魔力を宿しているらしいが、口の周りをケチャップでべたべたにしている現在、とても信じられない。

「はぁ、にしてもよ。なんでジーナはあんなに俺を嫌ってるんだ?」

「謎よね。ファルなら知ってるんじゃない?」

聞いてみた?
そう付け足してからクルリとこちらに振り向くロロ。

「聞いたことはあるんだけどよ・・・・・・・聞いたら後悔するって言われてさ」

ロロに懐いているジーナだが、なんで自分は嫌われてるんだろう。
・・・・・・・・・ひょっとして男が嫌い?

「といってもファルとはたまに一緒にいたからなぁ」

2年前までギルとロロが二人で行動している時、あの二人はいつも一緒にいた。
ジーナと会ったのはつい4年前・・・・・・つまり付き合い自体は2年ほどしかないのだが。
だが見たところジーナがファルに懐いているといって様子は微塵も見ていない。

「あ、あれ?」

「うん?ロロどうした?トイレならあっちブピョワァ!?」

「変態!」

手にもっていたフルーツ皿を顔面にパイの如く投げられたギルは悶絶して床を転げまわる。
いったい何すんだ、そう文句を言おうとしたがロロの視線の先を見て首を傾げる。

「ファルがどうしたんだ?」

「あのファルが話してる男の人なんだけど」

ふむ
確かにファルは誰か男の人と話していた。
教員か生徒かはよく分からないが、かなりハンサムである。

「惚れたのか?」

「違うわよ・・・・・・」

呆れて溜息を吐いてからロロは言った。

「どっかで見たことあるのよね・・・・・・・・・」

「ならジュノー出身か?ちょっと行ってみようぜ」

人が少し多くて移動が面倒ではあるが、大抵の人は立ち止まって話すなり食べるなりしているので
すぐにファルの場所へとたどり着く。

「でも僕には無理だと思うんだけど。ほら、もう学園の生徒だし」

「そこを何とか頼むよ。というか無理って絶対嘘だよね」

何の話か分からないが、男性がファルに何か頼みごとをしているところだった。
そしてファルが何かを口にしようとした時、こちらの存在に気付いたのかすぐに口を閉じる。

「どうしたんだい?おや、これは・・・・・・」

男性がこちらを見て驚きの表情をし、ファルに問うた。

「彼、かい?」

「・・・・・・・・・そうだよ」

「そう・・・・・・・・・か・・・・・・・・。はじめまして、私の名前はクロウ。今日は無理いって参加してるんだ」

そう言うとニッコリ笑って右手をギルに差し出した。

「ああ。俺はギル ノクトン。今年からここの生徒だ」

「何よそのゲームの説明文みたいなの・・・・・・・・・」

「うっせぇ!」

「はぁ・・・・・・私の名前はロロ ノクトン。こいつとは従兄妹ね。よろしく」

よろしくお願いします、とクロウは返してから再度ニッコリと笑う。
後ろでファルが溜息を吐いているが、なぜだろうか。

「君の父君とは旧知の仲なんだ。剣を教えてもらっていたこともあるよ」

「な!なら今父さんは・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・?」

どういうことだい?そんな視線を含んだクロウの眼差しを受けたファルは仕方ないといった様子で言い放った。

「ファル。君の父、セタ ノクトンは5年前に行方不明・・・・・・事実上死んだことになってるだろう」

「・・・・・・・・・そうだよな。わりぃ」

だがそんなはずはない。
ギルには分かるのだ。
彼、セタは死んだのではない・・・・・・・彼は・・・・・・

「ところでクロウさん。ファルのお友達?」

ロロの問いかけに思考を中断する。

「そうだな・・・・・・家族、そう言いたいけどね」

苦笑い。
対するファルは心底困ったように眉を寄せていた。

「私はたまに来るだろうからその時はよろしく頼むよ」

「ああ。任せとけ」

ギルがそう言うとクロウは頷き、会場の中に溶け込んでいった。

貴様・・・・見ているな!

1.5倍が来てからどんだけ放置してんだよちょうどネタっぽいネタになるだろしかも何小説の移転さぼってんだよ。

と、読者から文句を言われそうですね。

前にmixiやった時は三日でやめたからなぁ・・・・・・・・・。

そんなこんなでRO、1.5倍が来ましたね。

ここのところいつもの狩場でのんびり狩りつつ、1.5倍期間中に葱を97にすべくノルマ一日10mを自らに課しています。

え?どこがのんびりかって?

うん、俺も書いてて思った。

小説の移転とリニュ作業もノルマ分にすればいいんだけど、ギルドHPからの移転だし、微妙にリニュしてても見てる人いるか微妙なんだよね。

とりあえず異世界でひらがな!を一枚をお送りします。

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べ!

2-4 改造師

ギルとファルはお互いの視界をカバーしながら廊下を進んでいた。
あのまま厨房に入り込んでいると他の人物が攻め入ってくるかもしれないからだ。
もちろん篭っていてもよかったのだがその原因の一つに現在時刻があった。
時間にして3時ジャスト・・・・・・この時間で終了の合図のようなものがないのはさすがにおかしい。
となれば今の状態を把握する為にも危険だとしても外に出るべきだ。
そう言うファルに納得したギルは行動を同じくして廊下を歩いている。
ちなみに厨房は入り口に『使用禁止』と書いた立て札を置いておいた。
これで立て篭られる事態はおそらくないだろう。
後になって気付くのだが、『使用禁止』の札をたてといて厨房に潜んでいればよかった。

「・・・・・・・・・?」

「どうしたんだファル?」

先程からファルが浮かない表情している。
そしてしきりに首を傾げているのを見てギルが聞いたのだが・・・・・・・

「いや・・・・・・・・・・なんでもないよ」

と、何度もはぐらかされるのだ。
絶対何でもない顔じゃねぇだろ、とツッコみたいがこういう言い合いでファルに勝った試しのないギルは追求しなかった。
そしてピタリとファルが足を止め、構えをとった。

「・・・・・・・・・誰だ?」

「さぁ?」

遅れて気配に気付いたギルが構えをとるが、そこには

「・・・・・・・・・どこの蛇だよ」

ダンボールが置かれていた。
廊下の影のほうに置かれていたので気付かなかったが、よくよく考えるとおかしすぎる。
しかもよく見るとぴくぴく動いていた。

「ギル。どうすの?」

「え、俺?そうだな・・・・・・・・・倒したほうがいいんじゃないか?」

「だよねぇ」

しかしこれは・・・・・・

「罠?」

「否定できないけど、どうなんだろうねこ・・・・・・・・ギル!後ろ!」

「なっ」

ギルはファルの叫びに地をけりながら振り返り、水鉄砲を後ろに向けた。
すると今までギルがたっていた場所にこれでもかというほどの勢いで水が飛んでいった。
その先にあったダンボールを貫通したのを目撃し、見なかったことにする。
そしてそこに立っていたのは・・・・・・銀色に近いロングな髪を持つ幼馴染な奴、そして

「ロロに・・・・・・・・・ジーナだと!?」

ジーナ=イカルス。
ギルやファル、ロロ3人の幼馴染であり2年前にプロンテラに引っ越したツインテールの金髪少女だ。
一時期ツンデレツンデレと言われていた時期があったが、ある事件から今では禁句となっている
そもそも金髪は地毛ではなく、とある理由から染めていたらしい。
今は赤毛のポニーテールとなっている。
というより彼女はツンデレではないのだ。

「ちっ。お姉さま!クソ野郎への攻撃、はずれました!」

ロロをお姉さまと慕う同姓愛者なのだ。
まさか彼女が王立学園に入っているとは思わなかったが、これはやばい。
小さい頃から父親の仕事、魔機作りを手伝っていた彼女の使う武器は本格的にやばいのだ。

「ちょっと待て!それって水鉄砲だよな!?」

「・・・・・・・・・私もそう思うけど、ジーナの作るものにツッコミを入れても仕方ないわよ」

水鉄砲ってほら、なんだ。
こう危険じゃない遊びのはずだよな・・・・・・・?

「改造しちゃいけないなんてルールはないですよこの豚」

「ひでぇ!?」

「待っていてくださいお姉さま!今からこの憎き外道の脳天に風穴を開けます!」

「殺す気か!?」

たかが水鉄砲で大げさな、そう思うのは素人考えである。
昔ジーナの作ったミ○四駆で建物の壁をぶち抜いたことがあるのだ。
ファルが後で調べたことなのだが、その壁にはコーティングがかけられていたらしい。

「僕達置いてけぼりだね」

「・・・・・・そうね」

ジーナが暴走してギルを追まわし、置いてけぼりにされるファルとロロの図は2年前までよくあることだった。

「ふふ・・・・・・・ふふふふふふ。追い詰めたましたねぇ?」

「ちょっ、おまっ・・・・・・・・」

ギルが壁の隅に追い込まれたその時、チャイムが鳴り響いた。

『おしまーい!おしまーい!ゲームはこれで終了なの。今生き残っている人はこれからパーティーをするの。
 負け犬は既に席に座ってるの。指定の場所は・・・・・・・・・』

「ちっ、運が良いですね。・・・・・・・・・うん、先に行っててください」

「何て酷い扱いなんだ・・・・・・」

ゴリゴリと銃口をコメカミに擦り付けられているギルは不満をもらしつつ野外訓練場へと向かった。
どうやらそこでパーティーが行われているらしい。
歩いていくギルに並ぶロロだが、ジーナはただそれを黙って見ている。
珍しいなとファルは思ったら、急にジーナに見られた。

「ねぇ、あなた。あたし、言いましたよね?お姉さま達から離れてって」

「何のことだい?」

「なのに何で同じ学校に入ってくるんですか?馬鹿ですか?」

心底蔑んだ目で見るジーナに溜息を吐くファル。
そして表情が一変した。

「黙れ小娘。姫だかなんだから知らんが、捻り潰すぞ」

「お兄様は今の状況を黙認していますが、私は気に入りません。だいたい・・・・・・・」

「ジーナ、早くきなさい。遅れる・・・・・・・ってどうしたのよ?」

心配になって戻ってきたのかロロが怪訝そうな表情をするが、そこには何時も通り取り繕った表情をした二人。

「なんでもないよ?ただ今回の改造水鉄砲のことで質問を受けていただけ」

「そうですよお姉さま。あの腐れ外道と違ってファルさんは博識ですから」

心にもないことを言い合いながらもそれを決して表面には出さない。
それは暗黙の了解だった。
嬉しそうな表情でロロに付いてくジーナだが、ファルに舌を出して子供のように不機嫌をあらわしていく。
いつものように溜息を吐くファルだが、別にジーナが嫌いなわけではない。
ジーナはむしろ・・・・・・・・・。
もちろんそれには事情があるのだが・・・・・・・それをギルとロロに話す日は永遠に来ないだろう。

2-3 愛故の戦い

「ちぃ!」

「ファル!このままじゃ!」

「分かってるよ!でも退却させてくれそうにない!」

まるで逃がさないと言わんばかりに厨房からの道を塞いでいる新入生に頭を抱えるファルとギル。
今は水鉄砲を適当に撃つことによって何とか凌いでいるが、
向こうも給水ポイントまで進行しているので数が劣っているこちらが負けるのは目に見えている。
最初こそ不意打ちで二人倒せたがまだ4人残っていた。
ちなみに水を撃たれたその二人は突如現れた見知らぬ先生に連れて行かれた。
・・・・・・・・・たぶんローグの姿を隠して移動する特殊技術だろう。

「あ、まず」

ギルがポツリと呟き、遮蔽物から飛び出すように転がった。
するとその場所に放物線を描きながら飛んできた水が落ちていた。

「くっ」

最初は気付かなかったファルだがギルが飛び出したのを見て同時に飛び出したので水を浴びずにすんだ。
新入生4人の矢面にたった二人は両手に持っていた水鉄砲を同時に構える。

「はぁ・・・・・・・・・はぁ・・・・・・・・・ニノたんとナノたんのサイン・・・・・・・・・・」

「ほちぃ・・・・・・・ハァ・・・・・・・ハァ・・・・・」

「「・・・・・・・・・」」

初めてじっくりと見たその4人は例外なく目が血走っていた。

「・・・・・・・・・俺、あんなだったのか?」

「・・・・・・・・・あそこまでではないけど」

それを聞いてギルは自分を少し見つめなおすように考えてしまう。

「うひひひひひひ。しねぇ!」

「うおっ!?あぶね!」

その男は水鉄砲ではなく持っていた弓矢をギルに向かって放った。
もちろん練習用の矢で先には丸いゴムがついており殺傷能力はないが・・・・・・・・・悶絶するのは間違いない。

「・・・・・・・・・なぁファル」

「・・・・・・・・・なんだギル」

「お前がやってたことと似たようなことやってる人がいるな」

そう、気絶させてから倒せばいいんじゃんというやつだ。

「というかこれ、俺達の歓迎イベントだよ・・・・・・・・・な?」

「そんなこと言うもんじゃないよ。歓迎されている自信がなくなる」

いや、もうそんなものは砕け散っている。

「選択肢は一つだね・・・・・・・・・」

「ああ」

二人は目を合わせて頷きあい、同時に腰を低くした。

「強行突破だ!」

ギルが叫び、唯一の出入り口に向かって走り出す。
・・・・・・・・・・走り出すが

「ってお前も走れよ!?」

走っていたのはギルだけだった。
相手方はまるで捨石かのようなギルに不思議そうに首を傾げるが、水鉄砲を打ち出して迎撃する。
ファルは懐に手を入れてゴソゴソと何かを取り出した。
それは・・・・・・・・・下敷きだった。

「そ・・・・・・・・・それは!」

新入生4人の表情が一瞬にして固まる。
ついでに言えばギルも固まっていた。

「NINO&NANOの下敷き・・・・・・・・・!」

説明しよう。
その下敷きは生産されはしたが何故か世に殆ど出なかったNINO&NANOの希少な下敷きである。
諸説によればNGシーンがプリントされた下敷きなので事務所がストップしたということらしい。
ともなればそこは全国の男達があらぬ妄想を働かせ、それを手に入れようとするのは明白であった。

「まさか・・・・・・・・・なぜそれが、いや。何故貴様がそれを持っている!?」

「ふっ・・・・・・・・・さぁ、通してくれるかな?」

余裕の笑みを浮かべながらファルは一歩一歩新入生に近づいていく。

「それがどうした!ならばこちらも優勝してサインを手に入れるまでっ!」

「ならばこうしよう」

「「「「「なっ」」」」」

カッコが多いのはギルも声をあげたからだが・・・・・・・・・ファルは下敷きを折り曲げていっていた。

「どこで折れるかな?」

「や、やめてくれ!彼女達の顔が真っ二つになってしまう!」

「悪魔!この悪魔め!」

ディープなファンの反応にディープでないギルは複雑そうに見てしまう。
本当に苦しんでるように床でびくんびくん痙攣しているその姿は、気持ち悪いの一言であった。

ピュー・・・・・・・・・

その隙を逃さずに床の彼らに水をかけていくファル。
これが敗者の末路だとでもいうのか・・・・・・・・・
跡に残されたのは濡れた床に倒れる涙を流す男達であった。

2-2 篭城

「・・・・・・・・・」

彼は王立学園のイベントに臨んでいた。
NINO&NANO・・・・・・アイドル、ニノをリーダーとした冒険者のパーティー。
ニノ自身はアイドル歌手になるのが夢だったが──以下略。
とにかく冒険者とアイドル歌手を兼業している人物なのである。
明るくて元気なニノ・・・・・・・・・寡黙でクールなナノ・・・・・・・・・
対照的な二人であるがステージでの二人の息はこれ以上ないほど合っている。
もっともナノがステージに出るのはジュノーのライブの時のみで、
それは彼女の住んでいる場所だからだとファンには噂されている。
しかし不思議と知名度があるにも関わらず彼女の姿をジュノーで見た者はいない。
謎の少女、ナノはそのミステリアスさが売りなのだ。
何が言いたいのか・・・・・・・・・簡単に言えば、彼はNINO&NANOのファンなのである。

「・・・・・・・・・」

こっそりとキッチンを覗き込むと、誰もいないのを確認したあと厨房に入りこむ。
探し物はそう・・・・・・・・・厨房にある水だ。
最初の交戦時に5発程撃ったら何と弾切れしたのである。
それも当然、水鉄砲に水が大量に入るわけではない。
そこそこ入るタイプではあるが調子に乗って適当に撃つと、それこそ弾切れになるのは目に見えていた。
なので彼はその時最も近かった場所、学生食堂の厨房へと向かったのだ。
おそらくは一番篭城しやすく、すぐに弾も装填できるベストポジション。
ここを拠点にすれば敵を倒すのも楽になる。

「ふふふ・・・・・・・・・あははははははは!」

そう、全てはNINO&NANOのサインをもらうため。
ニノのサインだけでなく神出鬼没のナノのサインも入っているものは貴重なのだ。
価値にして10万zはするだろう。
そう、全ては・・・・・・・・・ニノ様とナノ様の為に!

「と、誰でも考えるよね」

「へ?」

突如天井から聞こえた声に思わず上を見る彼。
そして彼の記憶はそこで途切れたのであった。






「ふぅ」

「・・・・・・・・・」

ギルは複雑そうに無言でファルの作業を見つめていた。
今来た少年と同じであろう理由でこのキッチンに来たのだが、
この少年同様天井から聞こえた声に反応した瞬間意識を失ったのだ。
理由は簡単、ファルが厨房で待ち受けていて、彼が来る人々に襲い掛かっているからだ。
ぶっちゃけ直接攻撃がありなのか、という疑問が残るのだがそもそもそういうルール指定はされていない。
だからこそ部屋に水鉄砲を取りに行かなくても他人から奪えばいいのだ。
それがファルの発想だった。

「相変わらずえげつねぇな」

「そう?誰だって最初に思いつくことだと思うけど」

ねぇよ、そう言い放ってギルは気絶した人に水鉄砲を発射してから奥の部屋に押し込んだ。
ファルの作戦のおかげで既に彼らの持っている水鉄砲は10を越えている。
たとえ一丁が弾切れを起こしても別のに替えればすぐにでも再発射可能なのだ。

「だいたいこのゲームの目的は生き残ることだよ?。相手を倒すことじゃない」

そうなのだ。
あの放送で言われたのは生き残ったものが勝者。
断じて最後に残った者が勝つわけではない。
もちろん再放送で何かを言われるかもしれないが、そこはそこ。
ファルにとっての疑問は何人まで生き残ればいいのか。
もしくはあと何分間生き残ればいいのか。

「・・・・・・・・・あのよ」

「なに?」

「腹減ったんだけど」

「そこの冷蔵庫漁ればいいんじゃない?」

そこには学園の食堂の冷蔵庫。
果たしてイベント時だからといって食ってもいいのだろうか。

「いや、確かに食いたいんだけどよ・・・・・・・・・これって他の人も来るんじゃないのか?」

「え」

今更気付いたの?
そう言いたげなファルに思わずギルは視線を逸らした。

「終了の条件が分からないなら確実に通るであろう場所で待ち伏せをして人数を減らすのが得策だよ。
 この学園、個人の冷蔵庫をのぞいたらここにしか食料ないからね」

購買の商品は全て撤去されていたし、と付け加えて腕輪から出したミネラルウォーターを飲むファル。

「それって個人の冷蔵庫に取りに行けばいい話じゃねぇのか?」

「ギル。君の冷蔵庫に食料が入ってるのかい?」

「・・・・・・・・・あー」

そう、料理しない人にとっては冷蔵庫はただの飲み物入れである。

「ならさ、ファルの部屋に鍵かけて篭ればいいんじゃね?そうしたら食料もあるし」

「だいたいそんなに甘くないと思う・・・・・・・・・さっきから監視されてるし」

「え」

ギルは思わず周囲を見回すが、そこには影すら見えない。

「誰もいないが」

「ほらあれ、浮いてるやつ」

ファルが指差した方向にはフヨフヨと浮く・・・・・・・・・あれだ、ファン○ルのような物体がこちらへ向いていた。

「うおっ!?ファン○ル!?」

「なにそれ?・・・・・・・・・あれは魔法機械だね。たぶんあれと視界共有してるんじゃないかな。攻撃性能は皆無みたいだけど」

「へぇ・・・・・・・・・知らない魔法だな」

「オリジナルでしょ。たぶん魔法機械なんじゃないかな?」

失格がどうかはあれで判断しているのだろう。
ふよふよ浮いているそれは見られていることに気付いたのか慌てたように天井の隅に移動する。

「この寮の鍵は全部カードキーだったよな・・・・・・・・・?」

「うん。それがどうかした?」

思案するようなギルにファルは疑問の声を投げかけ、彼は答えた。

「ひょっとしてよ、学園側が全て操作して入れなくなってるんじゃ?」

「・・・・・・・・・なるほど。可能性はあるね」

水鉄砲を持つ持たないに関わらず部屋に篭城されるのはイベントとしてそもそも成り立たない。
そして放送はあれっきり一度も流れていない。
その間に誰かが同じことを考えないはずがなく、おそらくはその手は既に封じられているのだ。

「・・・・・・・・・あ」

「どうした?・・・・・・・・・あ」

彼らがふと見るとそこには6人組の生徒達がこちらに向かっていた。
一人や二人なら不意打ちでなんとかなるが、6人となると勝ち目が薄い。

「・・・・・・・・・不味いな」

「ああ」

そう、最初から篭城に向いているこの厨房は・・・・・・・・・出入り口が一つしかない。
これは不味い、そう思う二人だった。

焼きタヌキ一丁!

ボーッ・・・・・・・・・レースあたんないのぅ(´・ω・`)

最近やる気なくてRO繋いでなかったBALSENです。

今日は三日ぶりにやる気出たのでいつものようにトールで狩り。

いい加減カードだせ!ヽ(`Д´)ノ

あと罠うざい!

screeniris217.jpg

交戦中に足元に罠を置かれ、フルボッコにされるタヌキの図。

足元に罠おくとかマジ鬼畜!

2-1 最初のイベント

「なぁファル」

「何?ギル」

「俺達、朝は入学式じゃなかったっけ?」

「・・・・・・・・・僕もそう思っていたけど」

じゃあこれはなんなんだろう。
限界まで傾いた首で頭の上にハテナを浮かべるギルとファル。
そこには何の冗談か水鉄砲を構えた数人の生徒達。
対するファルとギルはそれに相対するかのように水鉄砲を構える。
真面目に水鉄砲を構える生徒達・・・・・・・・実にシュールだ。
意味不明の状況だが、それを説明するには朝に戻る。







ギルとロロを起こしに行ったファルだが、今日は珍しくギルが起きていたので全てをギルに任せていた。
いつもならこの後に三人分の朝食を作ってその日にやることの準備をするのだが、今日は早朝から入学式。
時刻で言えば明け方の4時・・・・・・・・・なんでそんなに早いのかは分からないが、朝食は食べなくてもいいとのことだ。
歓迎会もかねてパーティーでもするのだろう、というのはファルの弁だ。
それを聞いたギルが荷物からスーツを引っ張り出していたが、入学式にそんなものを着ていくと目立つ。
いいから自分の所属するギルドの制服を着ていけとロロに言われて渋々と手に持ったスーツをしまったのだ。
あの後、剣士服と呼ばれる軽装を身に着けていた。

「ふぅ」

そんなわけで入学式なので用意する事もなく、暇をもてあましていたファルはコーヒーを飲んでいる。
幼馴染のギルはきっと今頃、寝顔を見られたとか理不尽なことを言い放つロロから蹴りを食らっている頃だろう。
ふと、首からチェーンで提げている錆びた鍵を手に取り、あらゆる角度から眺める。

「いてて・・・・・・・・・何も蹴ることねぇじゃねぇか・・・・・・・・・」

「うっさい!あんたが勝手に部屋に入るからじゃない!それに乙女の寝顔を見るなんて・・・・・・・・・不潔よ!」

「いや、ファルにいつも自分を起こさせてるだろ?」

「・・・・・・・・・そりゃファルはどうでもいいけどさ、ギルに見られるのは・・・・・・・・・」

「何だって?」

「う、うるさい!」

どこのラブコメだ。
ファルは溜息を吐いてコーヒーを口に含む。

「おうファル。今日も朝からはりきっていくぜ!」

「ぶほっ!?」

いきなりギルに背中を叩かれたファルは口に含んでいたコーヒーを思いっきり噴出す。

「きたないわよ!」

「朝なんだからリフレッシュにいこうぜ?」

「・・・・・・・・・君らさ、死ねばいいのに」

そんな日常のシーン。
しかしそんな日常は突如終わりを告げた。

『あー、あー、まいくてすまいくちぇ・・・・・・・・・まいくてすなの!』

噛んだことに対して一人で逆切れをするその放送に広間にいた三人は設置されているスピーカーを見る。
入学式そのものをまだ済ませておらず、寮に入ってから数日しかたってない三人にとって何の放送かは検討もつかない。
というか声と喋り方が10歳周辺なのはどうなんだろうか。

『みなさん、これから卒業するまで一緒になるクラスメイトたちを発表するの。
 一度しか言わないから、ちゃんと聞いてないと学園で恥をかくことになるの。
 まず一組が・・・・・・・・・・』






「・・・・・・・・・全員一緒だね」

「そうね」

「別にいいじゃねぇか」

はっはっはっと笑いながらファルと肩を組むギル。
その様子にロロが一瞬ムッとしたのを目撃したファルは、恐らく一瞬でも考えたであろう想像を全力で拒否したかった。
だってさ、何か少し期待するかのような眼差し向けてるんだもん。

『以上なの。さて、新入生のみんなにはこれからゲームをしてもらうの』

「「「ゲーム?」」」

三人の声がかぶり、ふと周囲を見ると新入生が同じように首を傾げていた。
よく見てみると新入生以外のある雰囲気をもつ冒険者が一人もいない。
おそらく全員が新米冒険者・・・・・・・・・ファルはそこまで考えて、嫌な予感がした。

『まず皆さんの部屋に一丁の水鉄砲を送らせてもらったの。
 そして水鉄砲で他の新入生の人にぶっかけてなの』

「・・・・・・・・・はぁ?」

いみふ、そんな言葉を呟いて説明を求めるようにファルのほうへ振り向くギルだが

「僕も意味が分からない」

『最後まで生き残った人が勝ちなの。商品はある特権なの』

・・・・・・・・・?
特権の内容を言ってもらえないと、頑張りようがないぞ。
そう思い首を傾げるギルに、次の瞬間稲妻が走る。

『まず一つ目は今人気のアイドルNINO&NANOのサインなの』

「なんだと!?優勝だ!優勝してみせるぜ!」

ギルは「うおっしゃあああああぁ!」と雄叫びを上げて自分の部屋に向かって走っていった。
たぶん水鉄砲を取りに行ったと思うのだが、なんかこう、商品が俗っぽい。
ちなみにロロは走り去っていくギルに絶対零度の視線を投げかけている。

『二つ目は自分が倒した人の中から任意で強制的にパーティーを組ませられるの』

「いきなり普通になったわね」

しかし次の瞬間、ロロに稲妻が走る。

『三つ目はなんとなの!胸が大きくなる不思議なクスリなの!副作用もない、優れものなの』

「優勝よ。全てを蹴散らしてでも優勝してみせるわ」

ファルはチラリロロの胸元を見た。
・・・・・・・・・なるほど、気にするレベルではあるな。
そんな失礼なことを考えつつどうしようか考える。
走り去るロロはきっと自室に向かうのだろう。
となると自分も早く武器を手に入れないとダメだろう。
適当に負けてもいいが、学園の成績にも吟味される可能性がある。
・・・・・・・・・よし

そうしてファルは静かに動き始めた。

1-7 地下、脱出編

ファルとロロは地下を彷徨っていた。
幸いにもファルが光の魔法を使えたからいいが、それでも周囲を十分に照らすには足りない。
よって視界も悪いわけで・・・・・・・・・

「ねぇファル」

「何?」

「ここ、さっきも通ったわよね?」

ファルとロロは見覚えのあるような場所を何度も見ている。
方向音痴じゃないのだからさすがに最初は勘違いと思っていたのだが、どうやらそうも言ってられないようだ。

「・・・・・・・・・ここ、やばいかもしれないね」

「え?どういうことよ?」

同じような場所を何度も通るというのはもしそれらが外見だけが同じでまったく違う場合、
それは明らかに侵入者を迷わせるためのもの。
そしてもし本当に同じ場所を何度も通っているのだとしたら

「何かしらの魔法をかけているってことだね。たぶんここは何か重要な物が置かれていたか・・・・・・・・」

非合法な何かをしていたか。
そこまで言ってロロは無言で小さな鞄から棒状の何かを取り出・・・・・・・・・ってちょっと待て

「何その棒手裏剣」

「・・・・・・・・・別に何でもいいじゃない」

いやそんな目を逸らされて言われても・・・・・・・・・というか誰に使う気だったんだ。
一応先のほうは丸めてあり、殺傷能力はないようだがそれでも当たると悶絶間違いなし。

「もっともあくまで予想だから外れてるといいんだけ・・・・・・・・・ど?」

それだったらここまで厳重にする必要はないよね、そう言いかけてファルは一気に後ろを振り向いた。
それに釣られてロロも後ろを振り向き、棒手裏剣を握る。

「誰?」

確かに気配がしたそれは後ろから感じられた。
しかしその先にあるのは暗闇のみで、気配は濃く感じられているが誰もいない。
・・・・・・・・・と思ったら

ウィーン

「あ、ファル=ブリューナクにロロ=ノクトンですね。ダメですよ、ここは子供の入る所じゃありません。
 こんなかび臭い場所、出来れば私だって入りたくなかったです」

赤い縁の眼鏡をかけさらには一振りの剣を腰に付けている、ラフな格好をした女性が降りてきた。
・・・・・・・・・天井からリフトで

「いえ、入りたくて入ったわけでは」

「そう・・・・・・・・です・・・・・・・・・ひっく、ファルに無理に入らされて・・・・・・・・・」

ちょっと待て、何で泣いてるんだ。
というかその手からチラッと見えた目薬はなんだ。
ひょっとしてあれか、僕に全ての罪を着せようというのか。

「いえ、分かってますよ。偶然入り込んだことは」

しかし女性もちゃんとそれは分かっているらしく・・・・・・・・・え、ならなんで最初咎められたの?

「私の名前はリン。この学園の教師をしているので、よろしくお願いします」






「心の友よ!」

「何だよいったい!」

抱きついてくるギルを鬱陶しげに振り払いつつ去っていくリン先生を見つめるファル。
その胸のうちには小さな疑問。

「うん?どうしたんだファル・・・・・・・・・ひょっとして恋か?」

「そんなわけないでしょ・・・・・・・・・」

ロロが呆れ顔でギルの言ったことを否定する。
ファルはその疑問をギルやロロに言おうかどうか迷ったが、とうとう言わないことを選択した。

「もう今日は遅いから、帰ろうぜー」

「そうね。古臭い臭いが服についてるから着替えたいわ・・・・・・・・・シャワーも浴びたいわね」

二人の声にファルは生返事を返してから、もう一度だけリン先生の去ったほうを見た。
おそらくは同類・・・・・・・・・何かしらの隠し事をしている者を。
それにしても

「・・・・・・・・・どこかで見た顔だね?」

・・・・・・・・・まぁどうでもいいか。

1-6 地下

校舎の中は里帰りした者が多いのか人を一人も見かけず、学園というにはあまりにも人が少ない。
先程から爆発音が定期的に響いているが、もちろんギルは近づきたくなかった。
自分の赤い髪が燃えたらどうするんだ。

「でもよ。ここどこだよ?」

ギルはどこかの廊下で一人ポツンとつぶやいた。
一瞬だけ自分が迷子になったのかと思うが、イヤイヤと顔を横に振る。

「まったくファルもロロも世話が焼けるぜ・・・・・・」

迷子になるなんて子供じゃないんだし・・・・・・・・・。
そこまで言ってギルは膝をゆっくりと折った。

「・・・・・・・・・本当にどこだよ、ここ」

いつのも呆れたツッコミと暴虐なとび蹴りが飛んでこないことを確認してから呟く。

「というか何で迷子になってんの俺!?」

自分は間違いなくファルの背中を追いかけていたはずだ。
しかしふと置いてあった理事長の石造らしきものを数秒眺めて調べていると、置いていかれていたのだ。
もちろんその場でファルとロロを呼んで見たが帰ってきたのは虚しい反響音のみ。
・・・・・・・・・この校舎、広すぎじゃないか?
ギルはしばらく辺りを見回して、深く溜息を吐いた。






「もう・・・・・・いったい何なのよここ」

「知らないよ」

一方、ギルとはぐれたファルとロロもまた迷っていた。
もちろんファルは手に地図を持っており、また持っている本人も迷うような人物ではない。
何故か理事長の石造に触れたギルを注意しようとした瞬間、床が抜けたのだ。
いったい何の為にそんなものを作ったのかは謎だが、滑り台と化していたそれを登るのは不可能に近かった。

「ああもう!意味わかんないわよこの学園!」

叫ぶロロと同感のファルであるが、文句を言ったところで謎の地下室から出られるわけではない。

「やっぱり地図に地下室はのってないねぇ」

「そりゃそうよ。周りは蜘蛛の巣だらけだし、年単位で誰も来てないのは明白・・・・・・ああもう!巣が邪魔よ!」

再びうがーと叫ぶロロであるが、やはりストレスが溜まっているらしい。
何かとストレスが溜まりやすい彼女であるが、ここ最近は引越しの忙しさで特に溜まっているはずだ。
ファルは手を発光させながら静かに早くここを脱出することを決心する。
ギルという身代わりがいない今、とび蹴りを食らうのは自分なのだ。

「地下牢って感じじゃないから、分かりやすい位置に階段があると思うけど」

それに蜘蛛の巣が解れた糸のように地面に落ちていく・・・・・・・・・
粘ついてないことからかなりの間、人が立ち入ってないのは確かのようだ。

「なら早く行くわよ!ほら、光出せるのあんただけなんだから!」

一応モンク志望なんだから精霊の光ルアフを出せばいいじゃないかと言いたくなるが、堪える。
この少女が学園に入る前に予習をするなんてこと、しているわけがないのだから。

「はいはい」

そして出たのはいつもの呆れた声。
本当のことを言えばここまで放置された地下室に地上への扉があるとして鍵がかかっている可能性が高いということ。
もしこの面子にピッキングという特殊スキルを持つ人がいたなら・・・・・・・・・いない今、たぶん蹴り壊すことになるだろう。

「・・・・・・・・・はぁ」

新入そうそう、問題児として目をつけられるのは間違いなかった。
そう思うとファルはさらに深い溜息を吐いた。






「・・・・・・・・・ふぅん?」

「彼か。確かによく似ている」

薄暗い部屋で、彼らは無数のモニターを見つめていた。
その先にいるのは、溜息を吐いている少年。
頭の上に止まっている鷹を乗せている白い服を着た青年は言った。。

「似ているのはいいんだけどさ、肝心の腕前のほうはどうなの?あの人の子供ならと思うけど・・・・・・・って爪痛い!」

「その情報は入ってきていません。
 なにせジュノーの秘密主義は今に始まったことじゃありませんからね。
 あなたの目から見て、どう思いますか?」

赤い縁の眼鏡をかけた女性が書類をぱらぱらと捲りながら呟く。
それに対するのは静かな雰囲気を持った強者たる者。

「一応何か剣術の心得はあるようだが・・・・・・・・・まだまだ未熟すぎるな」

「それは僕もガーりんに同感」

「・・・・・・・・・ガーりん言うな」

各々が彼に対してを考え、部屋に沈黙が流れる。

「それで、どうしますか?地下の子は出してあげないと・・・・・・・・・お連れさん可哀相ですし。
 そもそも何であんなところにいるのかも謎ですね。トナ校長が封鎖しましたよね?確か」

「今はそんな話、どうでもいいんじゃない?とりあえずガーりん行ってきて」

「だからガーりん言うなと言っておるだろうに!」

青い服を着た彼が、叫ぶように立って短剣を構える。

『海底に眠りしミドガルズオルムよ、我が呼び声に応え・・・・・・・・・・』

「ちょっ!?こんなところで対軍用のストームガスト唱えないで!死ぬ!普通に死ぬ!」

「・・・・・・・・・」

身体から溢れていた青いオーラを収めるともう用はないと言わんばかりに出て行った。

「仕方ないですね。私が行きますので、あなたはこの趣味の悪い部屋から出てください」

「・・・・・・・・・ぇー」

「いいから早くしなさい。それとも・・・・・・・・・」

彼女が腰に刺してあった剣を抜け、それからオーラが流れ出す。

覗き用の部屋の染みにされたいですか?」

「りょ、了解しました!いますぐ出るであります!」

慌てるように出て行った彼と鷹を見届けてからもう一度だけ画面越しに少年を見る。

「・・・・・・・・・」

今はもう亡き彼の子供・・・・・・・・・この事実を彼が知る時が来るのか。
そう考え、彼女はその部屋の鍵を閉めた。

1-5 寮

ファル達は寮につくとまず管理人室に行ったのだが、誰もいなかった。
その代わりに首の部分がクルクル回っている妙なゴーレムがいた。

『・・・・・・・・・』

そのゴーレムはファル達を見ると何かを差し出すように手をつきつける。

「・・・・・・・・・鍵、それと手紙ね」

手紙を手に取ったロロがギルに渡し、続いて鍵を見始めた。
その手紙の内容事態はだいたい想像できるので、すぐに興味を失くしたらしい。
一方ギルは文句を言うことなく丁寧に手紙を開けて中身を朗読し始めた。

「これを見ている頃には、私はいないでしょう・・・・・・・・・何だよこの意味深な手紙」

取りようによっては大変な事であるが、管理人室にいないという前置きで間違いないだろう。
内容は誤解を受けそうな文体が多かったが、ようするに忙しいので勝手に部屋に行っててくれというものだった。
寮に関する細かいルールに関しては生徒手帳を参考にしろとの一言で手紙は終わっている。

「・・・・・・・・・なぁ、これさ」

「なにかあった?」

「最後に血痕付いてるんだけど・・・・・・・・・」

「「・・・・・・・・・」」

ファルが覗き見てみると確かに赤い斑点の付着物がついていた。
これはあれか、ひょっとして新入生をからかっているのか。
そう思いつつ荷物の確認をする為に各々の鍵を持って一度解散した。





「むぅ」

部屋にダンボールで詰まれた大量の荷物に、ファルは不満気に唸った。

「おばさん・・・・・・・・・荷物は必要最低限でいいって言ったのに」

ファルが本来纏めた荷物はこれより大幅に少ない。
にも関わらずこれでもかと言わんばかりにファルの私物が送り込まれていた。

「処分していいって言ったのに」

相変わらず話の聴かない人だ、と思いながらファルが纏めた荷物を探し始めた。






「ファル遅いな・・・・・・・・・」

寮の大広間でギルとロロはくつろいでいた。
というのも荷物の確認だけなのに遅いファルを待っているのだ。
家具は寮に完備されているので多くの荷物はないはずなのだが。

「そうね」

暇そうにしているギルと違ってロロは手持ちのバッグから本を出して読んでいた。
しかも優雅に紅茶を飲みながら読んでいる。
いったい何の病気なのだろうかとギルは心配したが、言ったら蹴られるのは間違いないので黙っておく。
そろそろ来ないだろうかとギルが思い始めているとファルがキョロキョロと見回しながら大広間に入ってくる。

「遅いぜ?」

「悪か・・・・・・・・・ったね?」

「どうした?」

急にありえない物を見たかのように目を見開いたファルに思わず疑問の声をあげるが、その気持ちはよく分かる。

「・・・・・・・・・うん、今年の風邪はツンデレにもかかるんだな」

・・・・・・・・・前言撤回、まったく分からない。





「そういえばギルとロロは武器・・・・・・・・・というより何になるつもりなの?」

「俺か?俺は剣士になる予定だけど。剣もバスターソードがあるし」

「私はモンクね。どうも武器を使うのが苦手なの。武器は・・・・・・爪があればいいんだけど」

いつも素手で俺達を殴ってるんだから経験値もあるだろうしな、と内心で思いつつも絶対に言わない。

「いつも素手で俺達を殴ってるんだから経験値もあるだろうしな」

「死ね!」

「ぼひぇるば!?」

「何してんの・・・・・・・・・」

呆れた顔のファルにロロは顔を赤くしつつ叫んだ。

「うるさい!そういうファルはどうなのよ!?」

「僕?一応マジシャンを目指してるんだけど」

「は?ファルの剣の腕前、冒険者でも通用するだろ?」

ギルの脳裏に浮かぶのは過去一度あったモンスターとの相対の時。
その時ファルは咄嗟に倒れた冒険者の剣を手にとって戦ったのだ。
あの時のことを思い出すといまだに何かを思い出しそうになるが、とにかくファルの仕様武器は剣だ。
間違っても杖ではない・・・・・・・もっとも杖術も出来るというだけかもしれないが。

「別にマジシャンが剣を持ってもいいでしょ」

「・・・・・・・・・は?」

唖然とするギルとロロ。
何言ってんの、こいつ?

「確かに世の中のイメージはマジシャン=杖だけど、別に杖じゃなくても構わないでしょ」

「まてまてまて。それっていいのか?」

「いいも何も・・・・・・・・・そもそも武器なんていわゆる使いやすさみたいなもんだし。
 マジシャンが杖を使うのは杖が最も魔力を増幅するのに適しているからで、他にもまぁ理由はないことはないけど。
 別に剣士になったギルが杖を持っていても良いんだよ?」

「・・・・・・・・・俺が杖もってどうするんだよ」

「さらに言えばロロが銃を持ってもいい。銃を持つのに必要なのは知識だけだからね」

「・・・・・・・・・遠慮するわ」

どうやらファルは剣を持ったマジシャンをするようだ。
いったい何を考えているのか気になるが、ファルが突拍子もない行動をするのは今に始まったことじゃない。

「とりあえずここが校舎。毎朝ここに来るんだよ」

「・・・・・・・・・でかいな」

「・・・・・・・・・でかいわね」

そこにはそびえ建つ巨大な城があった。
いったいなんで遠くから見た時に気付かなかったかが分からないという程大きかった。





自重しない没ネタ 序盤より

「すいません。今日越してきたファ・・・・・・・・・あれ?」

「どうしたのファル?」

「いやさ、この人、人形なんだけど」

そんなわけねぇだろ、と言い放ってから管理人をまじまじと見詰めるギル。

『きたな おろかなる りんじんよ』

「なっ!?」

『ようこそ ここは まおうの しろです。ゆっくりしていってね!』

「うるさいわよ!」

ガコン!

急に喋りだした人形にロロがとび蹴りを放つとやばい音を出しながら人形は倒れた。
倒れた拍子に背中を見ると『かんりにんぎょう』と書かれていた。
・・・・・・・・・何語?

『きたない おかかなる にんじんよ』

「・・・・・・・・・こわ、れただと!?」

『えいこそ えこは まるおの えろです。ユ・・・・・・・ユユユユユユユユユユックリシネ!』

「え!?」

言葉と共に襲い掛かってくるがるまー人形。
ロロもさらに蹴り飛ばしていいのか一瞬迷う。
なにせこの人形、パンツ一枚なのだ。
変質者に飛び掛られてる気分で、蹴りたくないとかではなく触りたくないといった迷いである。

「どこまで再現しているんだろうな・・・・・・・・・」

ファルがそう呟きながらパンツを凝視するが、襲い掛かってくる『かんりにんぎょう』をひとまず見据え、構えをとった。

移転速度アップ!

このままじゃ二ヶ月以上かかることは確実なので移転速度をアップすることに。

実はこの小説、タイトルは『AR』というんですけど、移転時に微妙に文章変わってるときあるんですよ。

まぁ設定とかも初期に比べて変わってるキャラもいますし。

そんなこんなで今日も焼きタヌキになってるBALSENです。

いったいお前のどこがタヌキなんだというツッコミはなしね!

ぐったり溜まり場で待機してる時はちゃんとタヌキ装備してるんだよ!

どうも最近RO内の物価が上がってきてますね・・・・・・ツインとか1.5倍とか2倍になってるし。

チクショウ・・・・・・ちょうど赤ツインほしくなってきてたところだったのに・・・・・・。

今日の死亡記録はネペ成虫とトールで何か死にました。

オーラへの道は険しいのです・・・・・・。

1-4 歴史

「・・・・・・・・・でかいな」

「・・・・・・・・・でかいわね」

まるで城だと言わんばかりにそびえ立つ建物──これでも一応寮らしい──に唖然とするギルとロロ。
寮は丘の上に立っており、そこに辿る道は一本の坂を上るか崖を上るかだけのようだ。

「でもここってプロンテラから少し離れてるよな?」

プロンテラの王城を抜けたところにある巨大な城。
そこは確かにプロンテラの敷地内ではなく、王城の敷地と言うに離れすぎている。

「お前ら、さっきも思ったが入学パンフはちゃんと見たのか?」

「え、何それ?」

「そんなのあったかしら?」

「・・・・・・・・・もういい」

この二人の幼馴染をやっていると日課になってしまう溜息を吐いてからファルは説明を始めた。

「ここは昔、ギルド同士が権利をかけて取り合っていた城なんだ」

「何の権利よ?」

「王からの仕事の優先だったり防衛隊長だったり・・・・・・・優遇措置だね」

へぇー、へぇー、へぇー、と何かを押すような動作をしつつギルは相槌をうつ。
この様子だと本当に何も知らないようだ。

「もっとも、今じゃその行事はなくなって5つあった城も1つになったけどね」

「なんでだ?行事楽しいじゃん」

「・・・・・・・・・・楽しい行事ならね」

丘を登る最中にポツリと呟いたファルの言葉に首を傾げるギルとロロ。
彼の言い方ではまるで楽しくない行事にしか聞こえなかった。
しかし、真実はそれで合っている。

「実際はただの殺し合いだったらしい」

「「・・・・・・・・・」」

「この行事の為に強くなる冒険者が大勢いたから王も黙認してたんだけど・・・・・・・・・そうも言ってられない状況になった」

「どういうことだ?」

「分かっているだろ?数十年前に比べて、人間は明らかに劣勢になった。
 今でこそ復興しているが一度滅ぼされたモロクとイズルート。
 そして地図から消えた町リヒタルゼン、ベインス、フィゲル。
 冒険者の数も年々減ってきているし・・・・・・・・・特級認定されたモンスターも確認されている」

「・・・・・・・・・バフォメットか」

苦々しく呟いたその言葉にロロは怪訝そうな顔をした。
しかしそれは一瞬でファルとギルは気付かない。

「ねぇ、イズルート以外の都市は何で攻撃を受けたの?当時、今より冒険者は多くいたんじゃないの?」

「僕は歴史の講師じゃないんだけど・・・・・・・・・。
 どうも多くが特級モンスターが混じっていたという話なんだ。
 モロクにはその都市が名前を持つキッカケとなったモンスター、モロクが。
 ベインスには特級モンスターが確認されたらしいけど、その名前が報告される前に壊滅したらしい。
 制圧されるのに一時間とかからなかったと聞いているから、よほど力を持っているのかもしれないね。
 あとはリヒタルゼンだけど・・・・・・・・・どうもこれは色々な憶測が交じり合っているんだ」

「例えば?」

「冒険者が反旗を翻した。いや、それは確かにモンスターだった。
 ・・・・・・・・・確かに分かることはその後跡地の血痕を調べたらモンスターの血は一滴もなかったらしい」

「それって人間しかねぇんじゃねぇの?」

「いや、報告ではそう言われてるけど血を出さなくて死んだら痕跡も残さないモンスターも多くいるからね」

一概にはそういえないんだ、そう言ってから言葉を続ける。

「最後にフィゲルだけど・・・・・・・・・何でもヴァルキリーが現れたらしい」

「へ?ヴァルキリーは人間の味方じゃないの?」

「僕に言われても分からん。一応特級モンスター、ランドグリスとして登録されているが・・・・・・・・・
 定義があやふやで倒しても賞金を得られない可能性もある」

「うげぇ・・・・・・・・・何だよそれ」

それこそ伝説級である特級モンスターを倒して何も得られないなんて、意味がない。
相手にするだけ無駄というものだ。

「だけどヴァルキリーのつけている装備は人間の作るそれより遥かに超えているからね。
 お金じゃなくて装備目当てならと狙う人もいるにはいるよ」

しかしいまだに討伐されたというニュースは聞かないので、まだ生きていることは間違いないだろう。

「先生!」

「はい、なんでしょうギル君」

「他に特級モンスターって何がいるんですか?」

ギルがいきなり手をあげて質問したのに対しファルはノリで返した。
そして顎に手をあて、考えると言い放つ。

「ドラキュラとドッペルゲンガー。人間の形を模した悪魔で、ゲフェンの地下にいたらしい」

「・・・・・・・・・デンジャラスな都市だったのね、あそこ」

既にドッペルゲンガーは討伐され、ゲフェンの地下からモンスターは消え去った。

「特級モンスターに認定はされているけど実質討伐が出来ないモンスター、ダークロード。
 記録によると別世界の魔王と自称していたらしいけど、真相は謎だね。
 そして最後にアリの王、マヤ。
 話が分かる奴で、領域に踏み込まなければ襲わないと協定を結んでる」

「いい奴だな」

「だけど入ったが最後、四方八方からアリの大群が押し寄せてきて圧倒的な物量の差に熟練の冒険者でも即死だとか」

「・・・・・・・・・容赦ない奴だな」

一秒で意見を変えたギルだが、ロロも同意見なのか同じような表情をしている。

「これで歴史講座は終わりだ。寮についたぞ」

「・・・・・・・・・なぁ」

「なんだ?」

「ひょっとして毎日この坂を上り下りするのか?」

30分くらいかかったんだが、そう呟いたギルにファルとロロが固まった。

1-3 生まれ故郷

気分がいくらか楽になって降りたその先は懐かしい故郷だった。
多くの冒険者が飛行船を降り、視界の妨げになってなお半壊した家が多く目に飛び込んでくる。
イズルート・・・・・・・・・8年前、今はバフォメットと名付けられたモンスターが暴れ、廃墟と化した町。
今では復興こそしているが、まだまだ半壊している家も多い。

「大丈夫かギル?」

「・・・・・・・・・行こう」

ギルはファルの問いに対して返事を出せなかった。
イズルートに住んでいた者にとって、8年の年月は事件を忘れるにはあまりにも早すぎた。

「墓参りはいいのか?」

「ああ。学園はプロンテラだからいつでもこれるだろ」

「・・・・・・・・・本当に来れるのか?」

「・・・・・・・・・」

その言葉に沈黙したギルはまるでその光景を拒むかのように黙って俯いた。

「いや、すまない」

「気にすんな」

「そうか・・・・・・・・・うん?先に行ってるぞ」

重苦しい会話から一転、ファルは笑いを堪えたかのような顔をするとギルの肩を叩いて、
乗船券を渡していたダクトゥル先生のところへと向かった。
ファルはペン太さんとか言っていたが、まさか本気で先生だと気付いていないということはないだろうか。

「あれ?ギル少し暗いね。変な物でも食べたの?」

「・・・・・・・・・なんて酷い言い草だ」

ファルと入れ替わるように来たのは幼馴染であるロロだ。

「そうね。変な物食べてなくてはギルは変だもんね」

「本当に酷い言い草だ!」

なんて女だ・・・・・・・・・!
ひょっとして俺のことをカボチャかトマトくらいしか思っていないのではないだろうか。

「それで、どうしたの?本当に変よ?」

ロロは小さく首を傾げてギルの全身を観察するように見た。
しかしすぐに溜息を吐いて首を振った。

「ダメ、あんた見てると目が腐るわ」

「・・・・・・・・・なぁ、お前俺のこと嫌いなのか?」

「知らないわよ」

そう言い放つとロロもペン太・・・・・・・・・じゃなかった、ダクトゥル先生の下へ向かった。
この反応はギルがロロに何か機嫌を損ねるようなことを言った時のものだ。

「・・・・・・・・・」

精一杯考えてみるが、原因が思い浮かばない。
ひょっとして飛行船の上で叫んでいたのが悪いのだろうか。
あの後ロロに教えてもらったが、どうやらファルの適等な知識らしい。
・・・・・・・・・今度何かを奢れば許してもらえるのだろうか。
とりあえず自分もダクトゥル先生と一緒に学園へ向かわなければならない。

「・・・・・・・・・バフォメット」

最後にギルは振り向くと、そう小さく呟いた。






「わあああああ」

「おおおおおおお」

「ふぅん」

目の前に広がる王立学園にロロ、ギル、ファルはそれぞれの反応をあげた。
ダクトゥルはそれに満足気に微笑むと懐から一枚の紙を取り出し、ファルに渡した。

「地図ですね。さっそく職務放棄ですか?」

「違いますよ!私は忙し・・・・・・・・・って先生って分かってたならそう呼んでください!」

「・・・・・・・・・そんなことないですよ?ペン太さん」

「なんて白々しいんだ・・・・・・・・・」

ギルの呟きにロロが同意するかのように頷いた。

「ひゃっ!?」

その瞬間、どこかから何かが爆発するような音が鳴り響いた。
ロロが小さく悲鳴をあげて近くにいたギルの服を掴んでは真っ赤になって殴り飛ばすという奇行をしているが、
ダクトゥルは溜息を吐くと愚痴をこぼすかのように言った。

「これだからマジシャンの育成なんて嫌なんですよ・・・・・・・・・だいたい一番危険な仕事を私がやるなんて・・・・・・・・・」

「はいはい、目的地に進みながら愚痴をこぼしてくださいね」

ファルに背中を押されたダクトゥルはその事に気付いてないのか足は前へと動きながらもブツブツと何かを呟いている。
目的地につけば良いのだが、あいにくファルは爆発がしたかもしれない方向へ押しただけである。
このままだと辿り着けない可能性があるが、ファルにとって知ったことではなかった。

「さてと、まず荷物を取りに行きたいのだが」

「俺は構わねぇけど?」

「私も良いわよ」

「なら決定だな」

ギルとロロから了承を得たファルは地図を片手に寮へと向かう。

「しかし広いなここは・・・・・・・・・どれくらい広いんだ?」

「聞いた話だとプロンテラの敷地の2割を使ってるらしいわよ?」

「うげ・・・・・・・・・本当に広いな、それ」

迷わなきゃいいんだけどよ、とギルは小さく呟くと地図と周辺の景色を交互に見ているファルに話しかけた。

「ファル」

「うん?」

「そういえば男子寮と女子寮で場所って違わないのか?」

「確かにそうね。ちょっと地図見せてくれる?」

「・・・・・・・・・はぁ」

二人がそう言うとファルは大きく溜息を吐いて言った。

「お前ら、馬と鹿だな」

「おう、そのとおりだ。格好良いだろう?」

「馬鹿にされてるのよギル!肯定すんじゃないわよ!」

なにぃ!?と驚くギルに再度溜息を吐くとファルは説明を始めた。

「まず始めに言っておくが男子寮女子寮なんてものは存在しない」

「はぁ?それはいったいどういうことだよ?」

最低限それは必要だろうが、と思いギルは言ったがファルは首を横に振った。

「確かにフロアで男子と女子の区別はついている。
 だいたい先生が不足しているから寮を管理する人が一人しかいないんだよ」

「なら生徒から寮長を決めればいいんじゃないの?」

ロロがもっともなことを言うがさらにファルは首を振る。

「冒険者を纏めるということは相応の力がないと出来ないからだ。
 ただの噂だが、寮の管理人は素手でハーピーを殴り殺したらしい」

「「・・・・・・・・・」」

ハーピー、冒険者にとって厄介なことこの上ない敵である。
弓等の遠距離攻撃の手段を持っていれば話は別だが、常に宙を舞うハーピーに騎士やアサシンでさえ苦戦をしてしまう。
そのハーピーを素手で倒すなんて、正直は話意味が分からない。
だがもしそんな人物がいれば誰も逆らわないのは明白だろう。

「あとは・・・・・・・・・これは聞かないほうがいいだろう」

「そこまで言われるとめっちゃ気になるんだけど」

「・・・・・・・・・そうね」

投げやりに手を振りながら話は終わりだと言わんばかりにファルは再び地図を見始めた。

スティール!スティール!スティー・・・・・・・・・なに?

今日も元気にトール火山2で焼きタヌキになっているBALSENです。

主食のインプを喋れなくして袋叩きして、マグマリンとカホを「ヒャッハー!」と叫んで突撃して蹴散らし、精神力はノッカーを月光で嬲って回復する。

ノッカーを殴るととても心が安らぐんだなきっと。

本来ジョブ美味しいノッカーですが、正直インプ狩れたら罠がうざいだけなんだ・・・・・・・・・。

そして今日のこんな一幕

screeniris215.jpg

2連続・・・・・・・・闇リンゴだと?

シネヨホント。

シャリシャリ(・ω・)


今日も元気に小説移転。

一日一話だとあと最低でも2ヶ月以上かかるんだけどね!

そして改めて最初から見直して思う。

矛盾点がある・・・・・・・・まぁいいか、うちの読者はたぶんそこまで求めてないよね!

1-2 空を行く船で飛行船

ジュノーで生まれ育った僕は高所恐怖症というものが理解できない。
落ちるような行為をしなければ大丈夫じゃないかと思ってしまうが、ジュノーの住民は皆そんな感じなのである。
だからファルにとってペン太さん(仮名)が顔を青くしてプルプルと震えているのが理解不能である。
今ファル達が乗っているのはジュノーと伊豆、さらにラヘルを繋ぐ定期飛行船だ。
船の中に入ればギャンブルがやっていたり──というかギャンブルしかない──賑やかなのだが、
ペン太さんは

「ふ・・・・ふふふふ・・・これが私の兄が編み出した超絶必殺技・・・・ひぃっ許して!」

「ペン太さん大丈夫ですか?」

「かゆ・・・・・・・・・うま・・・・・・・・・」

どうやらダメのようだ。
一方、ファルの幼馴染は船から何を考えたのか叫んでいた。

「空だあああああああ!」

「ちょ、ちょっとやめてよ!皆見てるじゃない!」

ギルは相変わらず馬鹿だった。

「ほら、ロロも叫ぶんだ!魂の叫びを・・・・・・・・・!」

「へ?」

まさかそう来るとは思っていなかったロロはキョトンと声を漏らした。
そしてギルはロロの手をとり

「空だああああああ!ほら、ロロも」

「え?えーと・・・・・・・・・そ、空・・・・・・・・・だぁ・・・・・・・・・って言えないわよ!」

ギルの強引な誘いに思わずのってしまうロロだが、恥ずかしさが上回ったのかすぐに正気の戻った。
同じ方法で止めても意味がないかもしれないと思い、視線があったファルに視線で助けを求める。

「いいじゃないか、叫べば」

頼みの綱のファルはあっさりと見放したが。

「嫌よ!だいたい何よそれ!?ファルもこの馬鹿を止めなさい!」

「え?」

「その疑問に満ちた顔はいった何よ!?・・・・・・・・・はっ!」

そこで何かに気付いたかのようにロロは叫び続けているギルを見た。

「ファル!あんたの入れ知恵ね!」

「それを否定するのは正直者を自称する僕にとって辛いことだ・・・・・・・・・」

「遠まわしに否定しても分かるわよ!」

ウガーと吼えるロロだが、幸いにも風が強いのでお得意のキックが飛んでこない。
何の関係が、という話だが今のロロはスカートをはいている。
もちろん普段なら羞恥心など捨てたと言わんばかりにとび蹴りを放つロロだが、今は周りに多くの他人がいるのだ。

「ふふふ・・・・・・・こう人がいてはとび蹴りを放てまい!」

これこそが絶対バリアー・・・・・・・・・!

「うるさい!」

「ぐはぁっ!」






「まさか冒険者になる前に死にそうになるなんて思わなかったな」

「うう・・・・・・だから何度も悪かったって言ってるでしょ!」

あの時殴られたファルはそのまま慣性の法則に従って飛行船から紐なしバンジーをする寸前だったのだ。
我に返ったペン太さんが咄嗟に氷でクッションを作ってくれなければ間違いなく今頃海の藻屑と化していたに違いない。

「ところでギル、大丈夫か?」

「おえ・・・・・・・・・たぶん・・・・・・・・・」

力なく答えるギルだが、顔はペン太さんと同じく真っ青で先程から口元を押さえていた。

「まさか船酔いとはな・・・・・・・・・」

「俺もこれは予想外だった・・・・・・・・・うっぷ」

「ちょっと私に近寄らないでよね」

ロロから汚物に見られるかのような視線を受けているギルだが、それに抗議するだけの体力は残されていないらしい。
力なく手を振っては大きく深呼吸をしている。
・・・・・・・・・しているのだが



自主規制




「空から吐くってどうなんだ」

「んー・・・・・・たぶん大丈夫よ。ギリギリ海に落ちたと思うわ」

飛行船の手すりから下を見つめるロロの報告に安心しつつファルはまだ顔が青い幼馴染の背中をさすっている。
それにしてもとファルは思う。
ジュノーは空に浮かんだ都市だ。
もちろん風が強い日は多少揺れているはずなのである。
そんな中で育ったギルが飛行船くらいで酔うとは思えないのだ。
だいたい飛行船には風を防ぐ術式が刻まれていたはずである。

「・・・・・・・・・どうでもいいか」

別に医者じゃないんだし、分かるはずがないと思い、幼馴染の看病を続けた。

まったり異世界狩り

BALSENのメイン狩場のうちの一つ、ネペンテスを狩る毎日。

人少ないけど、なかなか美味しい狩場なのですよ。

95葱で経験値1.8m前後、お金は茎400個以上集まり、なかなか美味しいのですが・・・・・・ですが!

ライオンウゼェ。

と、自慢やら愚痴やら思われそうな狩場情報はさておきうちが所属しているGのHPからRO小説を移転しました。

ちょくちょく修正しながら移していきます。

んである程度移転できたら小説読みやすいように各話へ飛べるまとめ記事作ろうと思います。

正直身内小説ですが・・・・・・・・・まぁ奇特な人ギルメン以外読む人いないよね!

これだけじゃ何なのでとある火山での一幕をぺタリ

screeniris214.jpg

・・・・・・・・あ、ギルメンの名前が・・・・・・・・・まぁいいよね、身内ブログだs

1-1 始まり

青い空がどこまでも続いている。
小さい頃から見てきたその景色は今も変わらず、ただ青いだけ。
代わり映えのないつまらない景色だと言う人もいるけど、僕はこの景色が好きだった。
別に雲の形が毎日違うとか、空の機嫌がわかるだとかメルヘンな理由ではないが。

「こらファル!今日は王立学園に行く日でしょ!さっさと来なさい!」

僕の名前、ファル=ブリューナクを呼ぶこいつの名前はロロ=ノクトン。
騒がしい幼馴染といったところだろうか。

「・・・・・・・・・」

感傷に浸っているわけではないがどうも毎日邪魔をされている。
ファルはお気に入りの場所をとられて怒る子供じゃない・・・・・・・そう、違うのだが毎日邪魔をされるとなると

「ギル。ちゃんとロロの手綱くらい握ってろ。可愛い従兄妹でしょ?」

文句も言いたくなるものだ。
そしてもう一人の幼馴染であるギル=ノクトン。
ロロとは従兄妹の関係であり、二人とも幼い頃からよく遊んでいる。

「無理言うな!俺の言う事をロロが聞いたことがあるか!?
 さらに言えばロロに可愛いところなんてあるか!?いや、ない!」

「何だよその反語は・・・・・・・・・」

断言するギルに呆れるファルだが、口元は微かに笑っているのが分かる。
それに大きく反比例するかのようにロロの顔は般若と化しているが。

「なんですって!?」

「ちょ、落ち着け!」

「うるさい!」

「どっぷべらっ!?」

奇声をあげながら吹っ飛んでいくいつもの光景にファルは苦笑しつつゆっくりと立ち上がった。
今日でこの景色もしばらく見納めと考えると少し感慨深いものもあるが、それは後にしよう。

「プロンテラね・・・・・・・・・」

数々の冒険者が戦う技術を学び、巣立っていく場所。
ミッドガッツの首都であり、ミッドガッツ最後の防衛線。
そんなこの国で最も安全な場所に命の危険がある職の訓練を受けに行くのだというのだから、不思議な話である。

「あのぅ・・・・・・・・・もうそろそろいいですか?」

そこには気弱そうなウィザードの男が一人。
つけているバッジを見るにそれなりに高位のウィザードのようだが・・・・・・。

「どなたですか?」

「・・・・・・・・・私、数日前に一度自己紹介しましたよね?」

・・・・・・・・・・・・そうだっけ。

「ああ、思い出した。ペン太さんですね」

「何ですかそのペン太さんって!?私はそんな愉快な名前じゃありません!」

・・・・・・・・・・・・。

「よし、行きましょうか」

どこにかはまったく分からんが。
といってもジュノーからプロンテラへ安全に行く手段なんて飛行船以外ないのだが。

「今放棄しましたね!?考える事を放棄しましたよね!?」

気弱な性格の上、弄られやすそうな反応である。
これが天性の素質というものだろうか。

「・・・・・・・・・が最後なのかしら?」

「・・・・・・・・・じゃないさ。また来れる、きっと」

途切れ途切れに聞こえる声に振り向いてみると、ファルが先程まで座っていた場所でギルとロロが空を見つめていた。
この二人はいつも喧嘩したかと思うと夫婦かと思うような行動をしているのだ。
付き合いの長いファルであってもその関係を言葉で表現するのは難しい。
だけどファルにとっては少し複雑で・・・・・・・・・

「ちょっと話を聞いてくださいよ!無視ですか!?」

「・・・・・・・・・」

うぜぇ、とファルは心で呟きながら腕についているそれを見る。
銀で出来た腕輪・・・・・・・・・冒険者の証だ。
同じくギルとロロの利き腕を見ると銀の腕輪がついている。
それは王立学園に入る事が決定した時に付けられた腕輪。
二人はまだこの意味に気付いていないのだが・・・・・・・・・それはいつか自分で気付く時が来るだろう。

「はぁ」

この青い空の中、ジュノーで弱い僕達は強くなる為にプロンテラへと向かう。
その道中でもしかしたら僕達は・・・・・・・・・

「いや、特に関係ないか」

ファルはそう呟いて首からかけてある古い鍵に触れる。
さび付いたその鍵は日の光を浴び、鈍く輝いた。

ローグ祭りはレボリューションだ!

今日はそこそこ狩りをしたあと、ローグ祭りに逝き・・・・・・・失礼、行きました。

悪漢達は見ての通り

screeniris194.jpg

いっぱいなんだ。

そしてなんで画像こんなに荒いんだ!

今度調べるか・・・・・・(´・ω・`)

screeniris201.jpg

ある悪漢達の一幕。

途中キュピキュピ言うキグルミラッコもどきに倒される人が出るもモロクからコモドへの徒歩は問題なく進み、とある兄弟がもってきた大量の枝を皆で折ることに。

ぽきぽきっと・・・・・・・・・ふっ、AGIカンストの俺にはこの程度のmob、相手にならんわ!ヽ(`Д´)ノ


screeniris206.jpg

な・・・・・ならんわ!

ラッシュアタックまじ鬼畜orz

最後に街中をペット連れで㌧㌦移動。

ルアフとかサイトで炊かれても泣かない!

screeniris212.jpg

最後に記念撮影。

この後石投げイベントもありましたが、さすがに疲れたのでこの辺で失礼しました。

とりあえず開設

過去三日でmixiを退会したBALSENですが、溜まり場の方に流されるかのようにブログを作りました。
今度はいったい何日保つんだろう・・・・・・。
更新速度はたぶん鈍足。
ネタがないのでだいぶ昔の画像をぺたり。




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